赤十字社にはシンボルツリーがあり、それは「いとすぎ」。
医師アンリ・デュノーがイタリアの戦場で傷ついた両軍の
多くの兵の治療にあたったのがソルフェリーノの地。
そこに「いとすぎ」が生い茂っていたことから、デュノーに
回顧されて「象徴の樹」になったと云う。
日本赤十字社でも、シンボルツリーはいとすぎ。
日々の散歩の最初に新しくなった松山赤十字病院前を
通るので、植樹されたばかりのいとすぎが目に入る。
写真のように赤十字社といとすぎの関連を説明までして
あるのだから当然、通行人の目を引くわけである。
このいとすぎは、昨年暮れか今年の始め頃に植樹された
ことになるわけだが、三月頃に私は異変に気が付いた。
そして四月・五月と月日が経つ毎に異変は確信に至って
しまった。「枯れてしまったじゃないか」ということ。
この枯れたいとすぎから20mぐらいの所に、もう一本の
若いいとすぎが植樹されているのだが、こちらは植樹に
成功し、青々と根付いているから、それを比較して私は
もう一本を「枯れてしまった」と確信したのである。
調べたら、いとすぎは簡単には育たない理由があった。
例えば、寒冷地ではなかなか根付かない特徴がある。
他に、植樹した際には多量の水が必要。その時以外は
水をやる必要がない、とも書いてある。
だから想うに、植樹した際の水やりが少なかったのでは
ないか、と想像する。
原因はさて置き、「枯れたままのいとすぎでいいのか」と
いう問題があるだろう。
何しろ、解説付きのいとすぎだ。赤十字の象徴の樹だ。
放っておくのはおかしいでしょうに。
それを毎日見せられているこちらも結構ツラい。
先日、(赤十字側は気付いているね)と思える出来事が
あった。直ぐ近くに植樹されている割と大きな桜の枝が
折れて垂れ下がっているのを片付けていたからだ。
で、枯れたいとすぎの方は、どうするの?
この「いとすぎ」を私は歌に詠もうとしたが、(あっ)と気付
いて、詠むのを躊躇っている。
考えてみたら、投稿している新聞歌壇の選者(52歳)は
現役看護婦さんで、赤十字看護学校の卒業生なのだ。
下手に詠えんなぁ・・・と、珍しくビビったのだ(笑)。