岡山デジタルニュース
【コラム】
〚紅麹コレステヘルプ問題:健康被害と株主の怒り〛
最近、小林製薬の「紅麹原料」を含む機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人々に腎疾患などの健康被害が報告されています。これまでに106人が入院し、4人が死亡していますが、死因とサプリメントの因果関係は不明です。特に2023年9月以降に製造されたサプリを摂取した人々が影響を受けているようです。
3月28日に大阪市内で行われた株主総会では、小林製薬の社長、小林章浩氏が問題について謝罪し、「被害の拡大防止と原因の究明に全社を挙げて全力を尽くす」と述べました。株主からは「製品と健康被害の関連はあるのか」といった質問が出され、29日に会見が予定されています。
株主たちは社長の涙を目撃し、一部は経営体制の問題を指摘しています。小林製薬は「糸ようじ」「のどぬーるスプレー」「トイレの消臭元」「熱さまシート」など、多くの商品を開発していますが、問題が公表されて以降、株価は約20%下落し、4900円前後で推移しています。
大阪市は「紅麹コレステヘルプ」、「ナイシヘルプ+コレステロール」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD(ゴールド)」の3商品およそ100万個を回収するよう命じる行政処分を出しました。ただし、紅麹原料を製造していた大阪市内の工場は既に閉鎖されており、衛生状況の確認が難しい状況です。
一方、岐阜県内の工場では回収対象の商品(サプリメント)を製造していましたが、その工場でも「未知の成分」の特定ができていません。小林製薬は紅麹原料の中に「未知の成分」が含まれている可能性を否定できないとしており、健康被害との関連はまだ明らかではありません。
この問題は小林製薬を含む55社に影響を及ぼしており、他のメーカーにも広がっています。