









夕暮れに橋の上で叫ぶのはつらい。
「行ってきます」と始まった1日が普通に過ぎていく。
昼はサンドイッチとサントリーBOSSコーヒー。
会社の庭は緑が多くてきれいだな、なんて考えて、それなりに
忙しく、それなりに幸せな毎日。
仕事が終わって家に帰ろうとする。
橋にさしかかる。
足をふみいれる。
少し揺れる。
橋の真ん中あたりに来て、ふっと後ろを振り返る。
車たちのごうごういう音、そして真っ赤な夕日・・・。
「あ」
息苦しい。胸を押さえる。
突然襲う不安。左手でネクタイを強く握る。
何だこれは。どうしたっていうんだ。
車や自転車は次々と走り去っていく。
彼は突然壁にぶちあたって混乱する昆虫のように、
なんだかよくわからない不安にさいなまれた。
声も出せない。
彼の視界はチョコレートのようにどろどろととけてゆく・・・。
そんな感じ。あーいやだいやだ。存在の不安なんていやだいやだ。