ジブリで色彩設計の仕事をしていた保田道世さんについての本。
宮崎、高畑両氏の同志であり、ジブリ作品の陰の功労者といえる。
その仕事ぶりは両氏につぐものといえる。まさにアニメ界の巨人。
アニメ黎明期から始まって、ハイジ、コナン、赤毛のアン…
それからアニメ映画。
その人生のすべてが日本アニメの歴史といえる。
この人がいなければ日本のアニメは違ったものになっていたかもしれない。
そんな彼女、最初からアニメ会社志望というわけではなく、たまたま東映動画に受かったというのが面白い。
アニメのことなど知らない彼女が、いつのまにかプロ中のプロになっていた。その軌跡が何ともいい。
この本が書かれた1997年はちょうどデジタルへの過渡期であり、その苦悩が 伺える。
仕事人の本としても、アニメ史、ジブリ史の本としても読める。
ずっと手元に置いておきたい本。