好きか嫌いかの好みで言えばあまり・・・
でも、フランス映画独特の癖があまりない事もあり、確かに良い作品だと思う。
事故で首から下の機能を失った大富豪の高齢男性フィリップ。
手も足も動かせないから24時間、365日介護が必要。一般人なら施設入所レベルだろうけどお金があるから医者、看護師、介護士や秘書、家政婦も雇える。
それが幸せかと言うとそうとは思えない。お金で安全を解消しても、身体が自由に動かせない苦悩は消せない。
そんなフィリップの元に、無骨で教養のない黒人青年ドリスが介護士の面接に来る。
まさかの採用。実は失業給付目当てだっただけに戸惑うドリス。
性格も育ちも全く違う二人の凸凹生活が始まり、トラブル続出。でも不思議とその度に友情は深まって行く。
障害者に対する真摯な気持ちのかけらもないドリスなのに、無神経な言葉や言動、破天荒な行動にフィリップは癒される。
教科書通りの支援ばかりが正義ではない。それをこの映画は教えてくれる。
ドリスは一旦解雇となるけど、ドリス以上の存在は現れず。
介護拒否となった髭ボーボーのフィリップをドリスがまた見舞いに来て旅に連れ出す。
安全ばかりを重視した介護から離れ、心からの喜び、幸せの道標となったドリスの優しさ、フィリップから学んだ礼儀と常識を身につけ、ドリスも成長。
最後の計らいはとても爽やか、優しさに満ちている。
なので、この作品が確かに高評価なのはうなづける。観て損はありませんね。