「鳧/けり」が媒介する新型感染症。
存在しないはずの新型感染症が世間に蔓延する。
今現在を逆手に取ったような設定。興味深く読みました。
誰かが意図してそうなったのではないし、感染症の存在を専門家は否定している。
にもかかわらず、安全を証明する『ワッペン』政策が税金を投入して実施される。
『けり病』とK:首都庁に勤める若手職員の名前の
妙な符合からして、なんとなく不穏でそれでいて、
あ―・わかりみが深い、近い。ホント、一般人の行動がリアルすぎです。
――担当編集より
新型コロナ感染拡大の前に書かれ、
「群像」4月号に掲載、話題となった中篇を緊急書籍化。
描かれているのは、現在の状況とはまた違う形で「新型感染症」に翻弄される社会です。
組織の中の個人のありようが不穏かつリアルに描かれ、考えさせられる傑作です。
内容紹介
鳥の不審死から始まった新型感染症の噂。
その渦中に、首都庁に勤める若手職員Kは、いつしか巻き込まれていく……。
組織の論理と不条理。世間での怖れと善意の暴走。30歳の新鋭による生々しい問題作。
組織の内部を描くという点で、物凄い洞察力を持った作家だ。
――亀山郁夫
コロナがこうなる前に書かれているというのに凄みを感じる。
――安藤礼二
「まったく、なんだってあんな根拠のないものにそうすぐ振り回されてしまうのだろう。
それとも本当に、ただ自分のあずかり知らぬところで未知の病気が広まりつつあるのではないか、とも考えてみたが、やはり実感は湧かない。
家々から漏れる灯りがそこここに生活が在ることを教えてくれる。言い知れぬ不安が、影のように自分のあとを追ってきている気がした。」
(本書より)
存在しないはずの新型感染症が世間に蔓延する。
今現在を逆手に取ったような設定。興味深く読みました。
誰かが意図してそうなったのではないし、感染症の存在を専門家は否定している。
にもかかわらず、安全を証明する『ワッペン』政策が税金を投入して実施される。
『けり病』とK:首都庁に勤める若手職員の名前の
妙な符合からして、なんとなく不穏でそれでいて、
あ―・わかりみが深い、近い。ホント、一般人の行動がリアルすぎです。
――担当編集より
新型コロナ感染拡大の前に書かれ、
「群像」4月号に掲載、話題となった中篇を緊急書籍化。
描かれているのは、現在の状況とはまた違う形で「新型感染症」に翻弄される社会です。
組織の中の個人のありようが不穏かつリアルに描かれ、考えさせられる傑作です。
内容紹介
鳥の不審死から始まった新型感染症の噂。
その渦中に、首都庁に勤める若手職員Kは、いつしか巻き込まれていく……。
組織の論理と不条理。世間での怖れと善意の暴走。30歳の新鋭による生々しい問題作。
組織の内部を描くという点で、物凄い洞察力を持った作家だ。
――亀山郁夫
コロナがこうなる前に書かれているというのに凄みを感じる。
――安藤礼二
「まったく、なんだってあんな根拠のないものにそうすぐ振り回されてしまうのだろう。
それとも本当に、ただ自分のあずかり知らぬところで未知の病気が広まりつつあるのではないか、とも考えてみたが、やはり実感は湧かない。
家々から漏れる灯りがそこここに生活が在ることを教えてくれる。言い知れぬ不安が、影のように自分のあとを追ってきている気がした。」
(本書より)