江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

まだまだ捨てたもんではない日本の司法(1)

2014-07-28 | 江戸川区教組
 ~大飯原発3、4号機運転差し止め判決を読んで~ 

 5月21日、福井地裁は関西電力に対して大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じる判決を言い渡しました。

 判決内容はインターネットなどで全文を読むことができますので、ぜひ読んでみてください。
そこには“普通の人”が読んでもわかりやすく、そして原発事故に真摯に向き合おうとする裁判官の姿も見て取れます。

 今回の判決を私なりに要約してみると
1 電力会社が想定した最大規模の震度を伴う地震は、正確な記録は近代のものしかなく、それらを超える地震は起こりうるということ。
2 想定以下の震度であっても機械の故障、外部電力の喪失、冷却水の遮断、などがあり過酷事故に至る危険性があること。
3 使用済み核燃料は原子炉格納庫ほど強固な施設に保存されているわけではなく、福島第一原発の事態からも極めて危険である。
 
などの理由で差し止めを命じたのです。

それらは極めて当たり前でどこかの誰かのように事実を隠蔽したり、誤魔化したりしたものではありません。 

そして、判決文の中にはこれ以降の最稼働を許さない闘いの裏付けとなるような言葉がいくつもあるので紹介します。


◆憲法上の権利である人格権(13条・25条)について
「この人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的な侵害のおそれがあるときは、人格権そのものに基づいて侵害行為の差し止めを請求できることになる。」

◆原子力発電所の稼働について
「原子力発電所の稼働は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。」

◆原発の安全性
「原発の安全技術及び設備は万全ではないのではないかという疑いが残るというにとどまらず、むしろ、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ち得る脆弱なものであると認めざるを得ない。」


<T・O>

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