江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

江戸川区教組2014夏季合宿報告(1)

2014-07-29 | 江戸川区教組
恒例の夏季教研合宿は今年も福島県内で実施しました。
「教研」と敢えて銘打ったのは、私たちの合宿は参加者一人一人が原則として自分のテーマに基づいてレポートを持参するからです。
この伝統とも言うべき作風は第1回目から受け継がれてきたものです。

この合宿のもうひとつの特徴はフィールド学習です。
今までにも、宿泊地周辺やそこに至る途中の特色ある地域等で歴史や今を見つめる様々なフィールド学習をしてきました。

さて、今年は福島県郡山市に宿をとっての学習でした。
2011年3月11日に東日本大震災が発生し、東北地方太平洋沿岸は津波によって多くの人命や財産が失われました。
そして、福島県では東電福島第一原子力発電所がメルトダウンし大量の放射能を放出し、今尚収束していません。
私たちは、この年の夏から福島県での合宿が始まりました。
いわき市・郡山市・福島市・郡山市の順で4年連続です。

今年は、福島県教組青年部長の押部香織さんから3.11の体験やその後の厳しい状況について生々しい話を伺うことができました。
ご自分の実家である浪江町は居住制限区域に指定され、今でも家屋の中で1.2~1.5μSv/h、屋外の歩道側溝では30μSv/hもあるということです。
収束宣言の後に安定ヨウ素剤が配られたり、行政のやることは全てが後手後手でちぐはぐだったり、仮設住宅での孤独死や仕事がなくなった同級生の自殺、日本各地に分散避難した人々の思い、不安な中での帰郷・・・・。

そんな中で、石原の「金目でしょ」発言に象徴されるように政府が被災者の願いを真に受け止めて対応していない姿には当事者ならずとも怒り心頭に達する思いです。
押部さんは言ってました。
「福島は復興に向けて進んでいると思っているという話を聞いたことがある。しかし、福島に住んでいる私から言わせてもらうと、原発事故は現在進行形である。」
「原発から約40kmのところに住んでいる私にとって、毎日不安な気持ちで生活を送っていることを知ってほしい。」
「これから先、様々な問題が出てくると思う。この問題を乗り越えることができる子どもたちを育てて行くことが、私たち福島の教員の使命だと思っている。」
最後に、「フクシマを忘れないでほしい」と彼女の口から言われたことが、参加者全員の心にずっしり響きました。

私たちの持ち寄ったレポートは、今年は全部で11本ありました。
アトランダムにテーマのみ紹介します。
・教室で語ろう3.11の記憶
・「集団的自衛権行使」容認で日本は再び「戦争する国」へ 国民生活を破滅に導く安倍ファシスト政権を倒そう!
・課題図書「よかたい先生」を読んで
・従軍慰安婦について
・小学校社会科教科書比較2015年版
・外国人の子どもの教育「なぜ不就学が多いのか」
・「教育」を否定することにこだわって
・「心にふれる話」
・「この子らが 戦に行くか 運動会」
・八重山教科書問題
・ワイマール憲法空文化~ナチスと同じ手口~




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« まだまだ捨てたもんではない... | トップ | 夏を彩る花々 (18)クリナムは... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

江戸川区教組」カテゴリの最新記事