この度、東京教組が標記要請書を東京都教育委員会へ提出しました。
この間、江戸川区教組内でも「働き方改革」に関しては論議してきましたが、それらも集約した形で都教委への要請書にまとめたものです。
以下に全文を紹介します。
(書式は変更してあります。)
東京都教育委員会 教育長 中井 敬三様
2018年10月22日 東京都公立学校教職員組合
執行委員長 外山 理佳
学校における働き方改革推進プランの実効化に対する要請書
日頃より教育の発展と教育諸条件整備のために努力されていることに敬意を表します。
学校の多忙化が大きな社会問題となっている中、本年 2 月には、東京都教育委員会としても「学校 における働き方改革推進プラン」(以下、推進プラン)を策定したところです。
東京教組はこの推進 プランについて、都教育委員会と協力し、教職員の長時間労働の是正の計画を実効性あるものにして いくため、解明要求を提出し、口頭ながら回答をいただいたところです。
回答では、教職員の働き方 について「誇りとやりがいをもち、心身共に健康で働き続けられることが重要であると考え ている」とありました。
しかし、昨年の都の勤務実態調査の結果や、東京教組が全都の青 年教職員に対して行ったアンケートからは、過労死ラインを大きく超えた長時間労働によ り疲弊し、実際に心身を病み、誇りとやりがいをもてずにいる姿が浮き彫りになっていま す。
教育を取り巻く環境・諸条件を大きく変革することが求められています。
各地教委・各学校において、具体的で実効性ある「働き方改革」が進んでいくよう、以下の項目を 要請します。
記
1 . 推 進 プ ラ ン に 「 目標の達成状況を検証し、必要な施策の見直しを行うなど、継続的 に学校の働き方改革に取り組んでいきます。」とあることに鑑み、今後推進プランの 継続的な検証と、見直しを行うこと。またその際、「推進プラン」の実施や改善は労 働条件そのものであることから、東京教組と交渉を行う中で改善していくこと。
2.「Iの3 学校における働き方改革の目標」で、都教育委員会として小中学校におい ても「週当たりの在校時間が60時間を超える教員をゼロにする」という当面の目標 を掲げている。
また「月当たりの時間外労働は45時間を超えないことが望ましい」 ともある。
人事院が国家公務員の超過勤務命令の上限を45時間とする見込みであるこ とも踏まえ、自ら掲げた目標を達成するため、各学校の在校時間60時間を超える職員 及び、月の時間外労働45時間を超える職員の状況を、都教委自身が正確に把握するこ と。
3.当面の目標だけでなく中長期的な目標として、正規の勤務時間が守られる状態に極力近づけるような目標を立てること。
4.在校時間の目標を達成するためには、業務の効率化では限界があり、本質的には業務の削減が絶対条件であることに鑑み、以下の都教委主導の各事業の廃止や削減や精選を検討すること。
1道徳授業地区公開講座
2都学力学習状況調査及びそれに伴う採点業務
3いじめアンケートの高頻度での実施
4都からの研究委託
5オリンピックパラリンピック教育の実施
6新体力テストの全学年実施
5.在校時間の目標を達成するためには、業務の効率化では限界があり、本質的には業務の削減が絶対条件であることに鑑み、以下の各地教委主導の各事業について廃止や削減や精選の方向で見直しが行われるよう、強く指導すること。
1土曜授業の実施日数
2土曜、日曜等の地域行事への参加・協力体制
3地域内の学校が合同して運動行事や音楽行事を行う、いわゆる連合行事
4部活動の試合・大会等の対外行事
5職場体験の実施日数
6出張による会議や研修
7幼・小・中・高などの連携教育
8教育課程の届け出における過度の余剰時数の要求
9地教委による研究委託及び大掛かりな研究発表会
10就学児健康診断における、各小学校施設と職員・児童の利用
6.「Iの4 取組の方向性(2)教員業務の見直しと業務改善の推進」には調査や依頼 等の精選や縮減が謳われているが、精選したり縮減したりすることが可能と考える 調査・依頼について、直ちに検討に入ること。
7.「IIIの3 区市町村教育委員会に対する支援等(1)在校時間の適切な把握と意識改 革の推進」では「在校時間の把握をICカード等のシステムにより行う区市町村委 員会に対して、支援を行います」とあり、今年度財政支援事業が行われているが、 導入に関わる支援しか行わないため、事業計画を提出しない自治体も多くある。継 続的に、運用についても財政支援を行うよう、新たな支援事業を計画すること。
8.「IIIの3 区市町村教育委員会に対する支援等(1)在校時間の適切な把握と意識改 革の推進」では管理職の研修に「教員の健康安全管理や時間管理に関する内容」を 入れるとし、管理職の業績評定について効率性の観点を評価対象としたとのことだ が、効率性の観点だけでなく、具体的な業務の削減量や、教職員の在校時間の減少 なども評価対象とすること。
9.「IIIの3 区市町村教育委員会に対する支援等(3)学校を支える人員体制の確保」 で、大規模校においてのみ英語専科教員を配置し、その他においては時間講師を配 置するとしている。
今後、大規模校だけでなくすべての学校に英語専科教員を配置 するよう計画を立てること。
10.部活動指導については長期的目標として、社会教育への移行を目指し、教員の本務 としないこと。
11.部活動指導員の配置について、適正な指導員が見つからず、支援員など顧問ができ ない形の人員配置が多くなされている現状に鑑み、部活動指導員による教職員の負 担軽減を推進する都教委の責任において、部活動指導員の人材バンクを創設し、各 区市町村教育委員会が利用できるようにすること。
12.スクールサポートスタッフについて、その職務内容を明確にし、各地教委・各学校 が配置を求めやすいようにすること。
13.働き方改革のためには人員の増が絶対条件であること、また本年度大幅な欠員が生じ 担任不在で新年度がスタートした学校すら出た実態にも鑑み、年度末の急な学級数の 減の際は直ちに過員を解消するのではなく、1年間過員状態の継続を認める制度に改 めること。
以上
この間、江戸川区教組内でも「働き方改革」に関しては論議してきましたが、それらも集約した形で都教委への要請書にまとめたものです。
以下に全文を紹介します。
(書式は変更してあります。)
東京都教育委員会 教育長 中井 敬三様
2018年10月22日 東京都公立学校教職員組合
執行委員長 外山 理佳
学校における働き方改革推進プランの実効化に対する要請書
日頃より教育の発展と教育諸条件整備のために努力されていることに敬意を表します。
学校の多忙化が大きな社会問題となっている中、本年 2 月には、東京都教育委員会としても「学校 における働き方改革推進プラン」(以下、推進プラン)を策定したところです。
東京教組はこの推進 プランについて、都教育委員会と協力し、教職員の長時間労働の是正の計画を実効性あるものにして いくため、解明要求を提出し、口頭ながら回答をいただいたところです。
回答では、教職員の働き方 について「誇りとやりがいをもち、心身共に健康で働き続けられることが重要であると考え ている」とありました。
しかし、昨年の都の勤務実態調査の結果や、東京教組が全都の青 年教職員に対して行ったアンケートからは、過労死ラインを大きく超えた長時間労働によ り疲弊し、実際に心身を病み、誇りとやりがいをもてずにいる姿が浮き彫りになっていま す。
教育を取り巻く環境・諸条件を大きく変革することが求められています。
各地教委・各学校において、具体的で実効性ある「働き方改革」が進んでいくよう、以下の項目を 要請します。
記
1 . 推 進 プ ラ ン に 「 目標の達成状況を検証し、必要な施策の見直しを行うなど、継続的 に学校の働き方改革に取り組んでいきます。」とあることに鑑み、今後推進プランの 継続的な検証と、見直しを行うこと。またその際、「推進プラン」の実施や改善は労 働条件そのものであることから、東京教組と交渉を行う中で改善していくこと。
2.「Iの3 学校における働き方改革の目標」で、都教育委員会として小中学校におい ても「週当たりの在校時間が60時間を超える教員をゼロにする」という当面の目標 を掲げている。
また「月当たりの時間外労働は45時間を超えないことが望ましい」 ともある。
人事院が国家公務員の超過勤務命令の上限を45時間とする見込みであるこ とも踏まえ、自ら掲げた目標を達成するため、各学校の在校時間60時間を超える職員 及び、月の時間外労働45時間を超える職員の状況を、都教委自身が正確に把握するこ と。
3.当面の目標だけでなく中長期的な目標として、正規の勤務時間が守られる状態に極力近づけるような目標を立てること。
4.在校時間の目標を達成するためには、業務の効率化では限界があり、本質的には業務の削減が絶対条件であることに鑑み、以下の都教委主導の各事業の廃止や削減や精選を検討すること。
1道徳授業地区公開講座
2都学力学習状況調査及びそれに伴う採点業務
3いじめアンケートの高頻度での実施
4都からの研究委託
5オリンピックパラリンピック教育の実施
6新体力テストの全学年実施
5.在校時間の目標を達成するためには、業務の効率化では限界があり、本質的には業務の削減が絶対条件であることに鑑み、以下の各地教委主導の各事業について廃止や削減や精選の方向で見直しが行われるよう、強く指導すること。
1土曜授業の実施日数
2土曜、日曜等の地域行事への参加・協力体制
3地域内の学校が合同して運動行事や音楽行事を行う、いわゆる連合行事
4部活動の試合・大会等の対外行事
5職場体験の実施日数
6出張による会議や研修
7幼・小・中・高などの連携教育
8教育課程の届け出における過度の余剰時数の要求
9地教委による研究委託及び大掛かりな研究発表会
10就学児健康診断における、各小学校施設と職員・児童の利用
6.「Iの4 取組の方向性(2)教員業務の見直しと業務改善の推進」には調査や依頼 等の精選や縮減が謳われているが、精選したり縮減したりすることが可能と考える 調査・依頼について、直ちに検討に入ること。
7.「IIIの3 区市町村教育委員会に対する支援等(1)在校時間の適切な把握と意識改 革の推進」では「在校時間の把握をICカード等のシステムにより行う区市町村委 員会に対して、支援を行います」とあり、今年度財政支援事業が行われているが、 導入に関わる支援しか行わないため、事業計画を提出しない自治体も多くある。継 続的に、運用についても財政支援を行うよう、新たな支援事業を計画すること。
8.「IIIの3 区市町村教育委員会に対する支援等(1)在校時間の適切な把握と意識改 革の推進」では管理職の研修に「教員の健康安全管理や時間管理に関する内容」を 入れるとし、管理職の業績評定について効率性の観点を評価対象としたとのことだ が、効率性の観点だけでなく、具体的な業務の削減量や、教職員の在校時間の減少 なども評価対象とすること。
9.「IIIの3 区市町村教育委員会に対する支援等(3)学校を支える人員体制の確保」 で、大規模校においてのみ英語専科教員を配置し、その他においては時間講師を配 置するとしている。
今後、大規模校だけでなくすべての学校に英語専科教員を配置 するよう計画を立てること。
10.部活動指導については長期的目標として、社会教育への移行を目指し、教員の本務 としないこと。
11.部活動指導員の配置について、適正な指導員が見つからず、支援員など顧問ができ ない形の人員配置が多くなされている現状に鑑み、部活動指導員による教職員の負 担軽減を推進する都教委の責任において、部活動指導員の人材バンクを創設し、各 区市町村教育委員会が利用できるようにすること。
12.スクールサポートスタッフについて、その職務内容を明確にし、各地教委・各学校 が配置を求めやすいようにすること。
13.働き方改革のためには人員の増が絶対条件であること、また本年度大幅な欠員が生じ 担任不在で新年度がスタートした学校すら出た実態にも鑑み、年度末の急な学級数の 減の際は直ちに過員を解消するのではなく、1年間過員状態の継続を認める制度に改 めること。
以上