江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

若い教員を育てられない教育委員会と学校現場 (10)

2019-06-12 | 随想
さて、今回は学校現場の状況を見てみよう。

先日、ある学校で管理職からこの様な文書が配られたという。



「働き方改革」の現場での取組み精神ともいうべきものか、具体から抽象論に至るまで提言している内容だ。
逆に言うと、これらの事柄を教員たちは出来ていなかったり必要と感じていないということだ。


「校務分掌や行事・教育活動を見直す」とあるが、これが管理職から提案されるとは、一体どういうことなのか⁉️
本来、年度末反省とか学校評価とか言われる中で、平場から提案される中身ではないのだろうか…。

そして、この見直し活動から始まるのが足もとからの学校改革であるはずだ。
例えば、教育委員会等が理不尽なものを押し付けてきたならば、全職員で論議してはね返したり、自分たちがやりたい内容に変えていく重要な作業なのだ。


面白いのは「定時等に音楽がかかる。ある時間になると電気が落ちる」とあることだ。
これを提案した管理職は、本気でこれを実施する気なのか⁉️
下校放送並みに音楽が流れ、「職員の皆さま、退勤の時刻になりました。今行なっている仕事を早く切り上げ、退勤しましょう!」等と放送が入るのもいいかもしれない。
更に、パソコン等の仕事に係わる機器の電源が落ちてしまえば退勤せざるを得なくなるだろう…。


その他にも、「仕事の優先順位をつける」とか「退勤時間または、今日はここまでやると決めてから仕事をする」という発想も、ある意味では大切な対応策を示している。
「後から入った仕事をその日の仕事に組み入れない」と具体的なことまで指示してくれるなんて、何とものの分かった管理職なのか❗️


また、「お互いに業務の把握をしていく」とか、「教材の共有、整理・整頓(6分)置き場を決めて共有」といった協同活動の視点も示されている。
学校という職場を、子どもたちの学びの場として位置付けるためには欠かせない視点の一つでもある。

子どもたちが集団の中で「共に学び共に育つ」という発想を職員が共有できれば、職員自体も共に協同して仕事をするという発想に至るはずである。


どちらかというと、この管理職提案を好意的に評価してきたが、やっぱり管理職だなぁと思わせるのは最初の文言だ。
「経験からの振り返りが、教師の力量を高める」とあり、「振り返る教師と振り返らないで経験を重ねる教師では、力量と労働時間に差が出る」と述べられている。

なるほど…、観念的なものの言い方ではあるが、この管理職としてはこれが一番言いたかったことなのだろう。
ちょっと押し付けがましい印象はあるが、これを逆手にとってあるいは有効に具体化する作業を進めることによって「働き方改革」が前進する可能性はあるように思う。


それにしても、この様な提案というか文書が管理職から出される学校というのは、組合活動のない職場なんだろうな…。
少なくとも、私がこの学校に在職すならば、例え管理職であっても共に学校改革を進める同僚として共闘していくに違いない。


<すばる>

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