昨日入学したばかりの1年生。
担任が途中から出張のため、補教で教室に入った。
教室に入るなり、「ルイージ!」という声。
「昨日の入学式に君たちの近くに座っていたんだけど、気がつかなかったかな…。」
「うん、知ってるよ。僕たちの横にいたよね。」
幸いにもほとんどの子どもたちは私の存在に気づいていたらしい。
でも、担任の先生ではないし、何をしている人なのかは分からなくて当然。
今年も図工を担当することになるので、そのうちはっきり認識してもらえればよい。
さて、担任から依頼された指導内容をこなさなければならない。
トイレの使い方。
用を足した後に手を洗うまではよかったが、ハンカチを持っていない子が続出。
「洗った後はどうするの?」
「自然乾燥!」と、全く悪びれた様子はない。
それを見ていたある子は、「僕のを貸してあげるよ」と自分のハンカチを差し出した。
「あっ、そう、ありがとうね…」
ところが、次々に貸してあげたのでまたたく間にびっしょり。
やっぱり自然乾燥の方がよかったかも・・・。
次は靴箱の使い方。
そこまで行くのも2列に並んで行く。
「並び方は知ってるの?」
「はーい!」
と言うが、先を競って並び出す。
「あー、ダメダメ! 席に戻りなさい!」
1年生には細かく分かりやすい指示をしないといけない。
どこかで聞いたような言葉を使ってみた。
「はい、1号者のみなさんはいますか?」
「はーい!」と元気良い声。
そう、これこれだ。
てなわけで、マニュアルに従って靴の出し入れと履き替える場所を教えると、しきりに外を見る。
もう2時間連続で室内にいるので、外で遊びたくてウズウズしている様子。
そこで、担任からは指示がなかったが玄関のドアを開けてしまった。
もちろん、場所はピロティーのみに限定。
ところが、一人の男の子だけは外へ出ようとしない。
「ぼく、○○ちゃんと遊びたいの・・・」
「えっ、だって○○ちゃんはお隣のクラスだから、まだ外へ出て来ないよ。」
「でも、ぼくは○○ちゃんがいいの・・・」
次は教室へ戻ってプリントの「おてがみ」を3枚渡す。
最前列の子に列の枚数だけ渡し、次々に後へ渡すやり方を教えると面白がってやるのだが、自分の分まで渡してしまい「ぼくのがありません」という子も出てくる始末。
さらに連絡帳袋へ入れるのも一苦労。
2つ折りにして入れるのだが、「折らなくても入るよ」と強情を張る子もいた。
そうかと思えば、文字が見えるように折るのかその逆なのかと質問する鋭い子もいた。
「好きなように折っていいよ」と言うと、態々縦長に折って入らなくするへそ曲がりもいたり時間がかかってしまった。
最後の極め付きは、集団下校。
方向別に色分けされたグループで帰るのだ。
私の受け持ったグループは最初のうちは順調に「さよなら!」できたのものの、残った二人は容易に自宅に到着できない。
「君のうちはこっちでいいの?」
「うん、でもママがトンネルの所で待ってるからおうちには行かないの。」
「そうなんだ、今日はおうちじゃないところでママに会うんだね。それでは、先に△△さんのおうちに行ってからにしようね。」
というわけで彼女の家に向かったが、同じような所を何度も行ったり来たり・・・・。
そのうち、「わたし、分かんなくなっちゃった。」
うっかりしていて、住所録も携帯電話も持参せず学校を出てしまったので調べる術もない。
そうこうするうち、彼女の組の担任が心配してやって来た。
どうやら、学区外でかなり遠くからやって来ているとのことだった。
担任も送っていくべき私も初めてのことなのに、あまりに容易に考えていた失敗であった。
それにしても、学校を出て歩くうちに自宅の方向が分からなくなってしまうということもあるものなんだ。
最後に残った男の子に、「さあ今度は君の家だ」と言うと、「ぼくオシッコしたくなった!」とのこと。
仕方なく最寄りのコンビニのトイレを借用。
ところが彼に、「君のおうちはどっちの方? 指差してごらん」と言うと、右を差したり左を差したり一向に指が止まらない。
そしてとうとう、「ぼくのおうちは、土手に上がった方がよく見えるよ。」
えっ、て感じで土手に上がろうとしたら遠くの方から自転車に乗った人が手を振ってやってくる。
お母さんだった。
聞いてみたら、彼も学区外からやって来ている子であった。
こちらの不手際であることは否めないが、それにしても学校から自宅への道順が分からなくなってしまうのもこの時期の1年生なんだと思わされた。
まだ生まれて6年あまり、学校では何もかも初めてというのが当たり前なのかも・・・。
ましてだんだん成長がスローペースになってきた現代においては、言葉や態度の派手さに比べて内面はまだ育ち始めたばかりなのだろう。
<やったるで>
担任が途中から出張のため、補教で教室に入った。
教室に入るなり、「ルイージ!」という声。
「昨日の入学式に君たちの近くに座っていたんだけど、気がつかなかったかな…。」
「うん、知ってるよ。僕たちの横にいたよね。」
幸いにもほとんどの子どもたちは私の存在に気づいていたらしい。
でも、担任の先生ではないし、何をしている人なのかは分からなくて当然。
今年も図工を担当することになるので、そのうちはっきり認識してもらえればよい。
さて、担任から依頼された指導内容をこなさなければならない。
トイレの使い方。
用を足した後に手を洗うまではよかったが、ハンカチを持っていない子が続出。
「洗った後はどうするの?」
「自然乾燥!」と、全く悪びれた様子はない。
それを見ていたある子は、「僕のを貸してあげるよ」と自分のハンカチを差し出した。
「あっ、そう、ありがとうね…」
ところが、次々に貸してあげたのでまたたく間にびっしょり。
やっぱり自然乾燥の方がよかったかも・・・。
次は靴箱の使い方。
そこまで行くのも2列に並んで行く。
「並び方は知ってるの?」
「はーい!」
と言うが、先を競って並び出す。
「あー、ダメダメ! 席に戻りなさい!」
1年生には細かく分かりやすい指示をしないといけない。
どこかで聞いたような言葉を使ってみた。
「はい、1号者のみなさんはいますか?」
「はーい!」と元気良い声。
そう、これこれだ。
てなわけで、マニュアルに従って靴の出し入れと履き替える場所を教えると、しきりに外を見る。
もう2時間連続で室内にいるので、外で遊びたくてウズウズしている様子。
そこで、担任からは指示がなかったが玄関のドアを開けてしまった。
もちろん、場所はピロティーのみに限定。
ところが、一人の男の子だけは外へ出ようとしない。
「ぼく、○○ちゃんと遊びたいの・・・」
「えっ、だって○○ちゃんはお隣のクラスだから、まだ外へ出て来ないよ。」
「でも、ぼくは○○ちゃんがいいの・・・」
次は教室へ戻ってプリントの「おてがみ」を3枚渡す。
最前列の子に列の枚数だけ渡し、次々に後へ渡すやり方を教えると面白がってやるのだが、自分の分まで渡してしまい「ぼくのがありません」という子も出てくる始末。
さらに連絡帳袋へ入れるのも一苦労。
2つ折りにして入れるのだが、「折らなくても入るよ」と強情を張る子もいた。
そうかと思えば、文字が見えるように折るのかその逆なのかと質問する鋭い子もいた。
「好きなように折っていいよ」と言うと、態々縦長に折って入らなくするへそ曲がりもいたり時間がかかってしまった。
最後の極め付きは、集団下校。
方向別に色分けされたグループで帰るのだ。
私の受け持ったグループは最初のうちは順調に「さよなら!」できたのものの、残った二人は容易に自宅に到着できない。
「君のうちはこっちでいいの?」
「うん、でもママがトンネルの所で待ってるからおうちには行かないの。」
「そうなんだ、今日はおうちじゃないところでママに会うんだね。それでは、先に△△さんのおうちに行ってからにしようね。」
というわけで彼女の家に向かったが、同じような所を何度も行ったり来たり・・・・。
そのうち、「わたし、分かんなくなっちゃった。」
うっかりしていて、住所録も携帯電話も持参せず学校を出てしまったので調べる術もない。
そうこうするうち、彼女の組の担任が心配してやって来た。
どうやら、学区外でかなり遠くからやって来ているとのことだった。
担任も送っていくべき私も初めてのことなのに、あまりに容易に考えていた失敗であった。
それにしても、学校を出て歩くうちに自宅の方向が分からなくなってしまうということもあるものなんだ。
最後に残った男の子に、「さあ今度は君の家だ」と言うと、「ぼくオシッコしたくなった!」とのこと。
仕方なく最寄りのコンビニのトイレを借用。
ところが彼に、「君のおうちはどっちの方? 指差してごらん」と言うと、右を差したり左を差したり一向に指が止まらない。
そしてとうとう、「ぼくのおうちは、土手に上がった方がよく見えるよ。」
えっ、て感じで土手に上がろうとしたら遠くの方から自転車に乗った人が手を振ってやってくる。
お母さんだった。
聞いてみたら、彼も学区外からやって来ている子であった。
こちらの不手際であることは否めないが、それにしても学校から自宅への道順が分からなくなってしまうのもこの時期の1年生なんだと思わされた。
まだ生まれて6年あまり、学校では何もかも初めてというのが当たり前なのかも・・・。
ましてだんだん成長がスローペースになってきた現代においては、言葉や態度の派手さに比べて内面はまだ育ち始めたばかりなのだろう。
<やったるで>