江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

ブラックな働かせ方をやめてください!

2017-10-08 | 江戸川区教組
ルイ・アラゴンという人の「教えるとは希望を語ること、学ぶとは誠実を胸に刻むこと」という言葉、この言葉を教えてくれたのはたしか中学校の国語の先生だったと思う。
教えるとは何なのだろう。
学ぶとは何なのだろう。


教員の長時間労働がやっと社会問題になっているのだが、現場では、相変わらず休憩時間がとれない状況が続いている。
「働き方改革」という言い方には、違和感を感じる。
「業務改善アドバイザー」を現場に派遣するなどという以前に、勤務時間の意識もなく現場に次々と仕事を押し付ける働かせ方を改革して欲しい。

長時間労働の問題が新聞で取り上げられても、会議の場では本来のやるべき仕事とは関係のない「やらなければならない」仕事が次々と押し付けられてくる。


学力テスト・体力テストとそれに付随する仕事

・学力テストを実施するだけでは終わらない。
採点、結果分析→研修で他校と結果を持ち寄り授業改善策を話し合う。→ホームページに掲載する授業改善プランを作成する(地域により違いはあると思う)。
これら一連の業務にかなりの時間がかかる。

・体力テストも同様。
実施するために実施案を作る。
前日や当日の朝の勤務時間外に準備をして実施する。
結果を記録したり保護者からアンケートをとったりする。
アンケートの記入ミスや記入漏れがないか確認し、場合によっては保護者に連絡し再確認する。
AからEまでの評価が書いた(しかもA評価がほとんどない)結果を配布する。


学力テストや体力テストは何のためにやっているのだろうか。
どちらのテストも通常授業を犠牲にして行われている。
ある学年で学力テストの結果が上がり管理職が教育の成果と言っていたので、その学年の教員に聞いたところ、過去問をやらせて対策したとのことだった。

ある学校では、学力テストでいい点を取らせるためにテストの2週間ぐらい前から過去問で対策していて普通の授業に支障をきたしているそうだ。
また、テストの成績が低位の子どもだけ教室から取り出して別室で学力テストを受けさせている学校もあるそうだ。
公に言えないだけで現場の教員の中にはこのような状況をおかしいと思っている人はいる。
公教育で差別がまかり通っていいわけないだろう。


その他の仕事

・校内研のみならず、指導室訪問、小中連携の授業公開、道徳地区公開講座、自己申告の授業観察等での指導案を作成する(地域によって違いはある)。
これらに加えて初任者研修等悉皆研修での指導案作成が加わる人もいる。

校内の研究授業や初任研・2年次・3年次研等の悉皆研修での指導案作成では、管理職等によっては、何度も書き直しさせられたり重箱の隅をつつくような細かい指導が入ったりして、休日返上で、睡眠時間を削って、普段の授業準備を犠牲にして文書作成に時間を費やさなければならなくなる場合もある。

・教育委員会からの要請で校内研を入れられる(しかも企業が来て教員を研修)。
忙しい中、休憩なしで企業の話を聞き、アンケートに記入する。

・教員評価のためにある自己申告制度。
自己申告書を年に3回書かされる。
現場では自己申告はいらないと思っている人は多い。


自己申告書を書いたり指導案を書いたりするのは、勤務時間外にやっている。
普段の授業のことを考える時間や自分の生活を犠牲にしてやっている。

これらの子どものためにならないことを上から押し付けるのをやめることをすぐにして欲しい。
やめることにはお金はかからないだろう。

教員の長時間労働の問題を本当に問題だと認識するならば、自己申告という制度や学力テスト、体力テスト、指導室の人が来るからといって指導案を書かせるなど、数々の本来の教育とはかけ離れたものをやめることを最初に考えて欲しいと思う。

無償で時間外労働を当然のように強制するのをやめて欲しい。


時間外や休憩時間に働かざるを得ない状況になっている原因は、まだまだあるのだが、ここまでで書くのをやめる。
教員の長時間労働を解決するには、1人あたりの仕事量を減らすしかない。



<「働き方改革」?>

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