江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

子どもには「群れる権利」がある

2020-08-01 | 随想
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で、様々な「日常」が失われているが、今後子どもたちへの影響は甚大になるのではないか。
今後の影響の大きさを考えると、ちょっと恐ろしくなる。

 振り返ると、2月末に首相の鶴の一声で「全国一斉休校」となり、はじめは、春休みと接続させた19年度内の休校かと思いきや、その後約2か月にわたり休校が続くことになった。
「一斉休校」決定後の感染拡大状況をみると、感染拡大抑止について「一斉休校」の実質的な効果は、あまりなかったようだ。

さらに、全国的な感染拡大と「緊急事態宣言」による休校の延長によって、ほとんどの地域で新年度の初めの2か月間が「休校」となり、6月に学校が再開されたものの、学校の日常は取り戻せていない。
「3密を避ける」ということが、「至上命題」とされ、音楽の授業では歌ったりリコーダーを演奏したりすることもできず、給食時間も無言で食べることを求められているらしい。

 このような状態は「学校」と呼べるのだろうか?
特に、小学校の低学年の子どもたちにとって学校の授業とは、学習の内容を理解したり身につけたりする以上に、教室という場での「学び方を学ぶ」という意味が大きいと思う。
さらに、同学年・異学年の子ども同士の交流を通して、社会性もはぐくまれることを否定する人はいまい。

また、大人を含めた他者からの「承認行為」は、子どもたちのモチベーションだけではなく、心理的な安定を支えている。
大人は、これまでの経験から「エアハイタッチ」や「エアハグ」が、それぞれの行為の代替だと理解できる。
しかし、子どもたちはそうした本来の承認行為から遠ざけられている。

何もこんな回りくどいことをいう必要はない。
本来、子どもたちには「群れる権利」や「じゃれあう権利」があるはずではないか。
休み時間においてさえ、自由におしゃべりすることもできないのは、まさしく「異常事態」だ。

子どもたちに日常を取り戻すことを、今の政府はほとんどやっていない。
せめて、児童・生徒、および全教職員のPCR検査を実施することで、安心して登校できる学校・群れたりじゃれあったりできる学校にしてほしいと思う。

-K.H-

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