江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

春の「生き物教材」から思うこと

2020-05-14 | 随想


コロナの感染拡大を防ぐため、学校は五月末まで休校の予定。
理科教員としては困った事態だ。

春は植物のタネや苗を植える時期だ。
春に花の咲く草花や植物、昆虫などの観察でとても忙しい。

観察は生きている、成長している瞬間、瞬間を見ることが大事だ。
行事等で理科の授業が遅れると、花がタネになっていたりしてガッカリすることもある。
 

桜の花は散り葉桜になって赤い実をつけやがて黒くなる。
食べると苦みがあるが、私はこれらも観察や体験の対象にしている。
今年は成長の変化を見せることも、味わってもらうことも出来ない。
とても、残念なことである。
 

季節は確実に進み自然の歩みは待ってくれない。
過ぎてしまった春の生き物の単元を、教科書や映像だけで後で教えても感動や発見は得られない。
自分の目で見て触って確かめて、香りや匂いも感じ取って初めて認識され知識として定着される。
 

学校再開が遅れ九月入学も検討されている。
何時かは、九月入学になるかも知れないが、今年から急に変えることは無理な話だ。
 
四季のはっきりとしている日本人の心の中には、四月入学が身体や心に染みついている。
寒く長い雪に閉ざされた季節を超えて暖かくなる春に、動植物全ての生命活動の息吹が始まる。
農作業も始まる。
ヒトも自然界の生命体の一つであり、その仕組みから抜け出すことは出来ない。

春に生命活動の躍動が始まることを思うと、四月入学はとても理に叶っている気がしてならない。

 





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