映画の「飢餓海峡」とは、
”時代劇の大家・内田吐夢監督が現代劇に挑む長篇サスペンスドラマ”
ということで、1965年製作のモノクロ作品。
これの前から、NHKのBSプレミアムでは、同じく内田吐夢監督の
宮本武蔵シリーズを放送してて、「宮本武蔵 一乗寺の決斗」とか、
吉川英治原作なので、なんとなく見てたのですが、
凄く面白かった(^ ^)
で、「飢餓海峡」も見ました。
3時間余りもありますが、ちっとも飽きさせないし、白黒映画というのがまた、この事件の恐ろしさを表すのに、とても効果的でした。
原作は、水上勉の同名小説。
”戦後の貧困の時期を生きることになった多くの日本人の悲哀が
主要な登場人物に投影されている。”ということです。
放送が、隣国のフェリーの沈没事故の少し前で、
この映画には、最初に青函連絡船の事故のことがでてくるので、
その辺も、すごく驚きました。
とにかく、戦争後の日本の様子がよく表現されてて、
昔の赤線地帯、青線?のことも出てきます。
これを見たら、あの人達が凄い嘘を言っていた(!!?)
ということもよく分かります。
当時の日本は非常に貧しくて、ごく一部であれ、
騙されて、そのような店で働くことになった女達がいたこと、
「売春禁止法」で禁止されるまでは、それは管理はされているけど、
営業はできたこと。
戦後の混乱期、闇屋などの様子。
大陸からの引き揚げ者の悲劇。
当時の舞鶴の様子・・・
核心的な場面になったら、窓の外では、
ざぁ~~と雨が降ってきたりと、
すごい映像の表現方法!
この作品は、今年の「新・午前十時の映画祭」にも選ばれてるので、
この先、映画館でもみることができます。