台風14号の影響で関東でも雨の日が続いている。といっても、今のところ小糠雨だ。傘が邪魔だけれどないと困るといった具合。先月の26日に帰宅してから10日余りになるけれど、家に閉じこもりきりの生活が続いている。妻の買い物の後にくっついてスーパーに行ったりはするけれど、店内をぶらぶらするだけで、さしたる用事もない。
これはいかんぞよと思ってカメラと傘を車に放り込んで、多摩川べりまで行ってみた。数日来の雨で増水した川面を見ながら堤防を歩いていたら、4,5年前に起きた痛ましい事件を思い出した。年の頃は30の半ばだろう、すらりと長身の女性がミニチュア・ダックスフンドを連れて歩いているのに出会った。こちらは黒ラブちゃん。お互い鼻をくんくんくっつけてすぐに仲良しになった。それから後、出会えば必ずご挨拶をするようになった。
当時、河川敷の管理も今ほど厳しくなかったから、広っぱの片隅にみなひとかたまりになってめいめいの犬を放してやって、遊ばせていた。多いときは15,6匹にもなった。午前中の時間帯だったから、飼い主はみな女性だった。私一人が浮き上がる風であったが、犬の為にはと思って仲間に入っていた。
この一団とは違って、遠くの方に4,5匹の別の小さなグループがいた。私は全く気にもかけていなかった。ある朝あのダックスの女性と出会った。彼女は思いも寄らぬことを言うのだった。「皆さん、私のことを悪く言っていませんか?自分勝手だとかなんとか・・」この質問には思い当たることは何もなかったので即座に否定しました。私はどちらのグループにも属していない「通りすがりの人」と言った状態でした。それで、私は「何かあったのですか?意地悪をされるとか、なんとか・・」と尋ねました。彼女は言葉を濁して、詳しくは語らなかった。
それから数週間が経ってのこと、その女性は犬を連れずに歩いてくるのに出くわした。「あれ!ハッピちゃんどうしたの?」思わず尋ねました。彼女は顔面蒼白で唇を震わせながらこう言いました。「ちょっと目を離した隙に、藪に隠してあったものを拾い食いして、それには毒が仕込まれていて」涙を流しながら、声を上げて泣きながら「緑色のおう吐があって、蝶が舞うようにバタバタ動いて死んでしまいました」と一気に話したのだ。
それから後も、毎日毎日同じコースを一人で歩くのを見かけました。遠くを眺めたり、下を向いたりしながら歩いていました。この痛ましい毒殺事件の因果関係は未だに知らない。しかし、彼女が一人さびしく歩く姿は目に焼き付いている。一年ほど経ったころ私が「何かまた飼えばどうですか?」と尋ねると、「ハピちゃんに悪いから、もういいの」と答えて、それ以来彼女を見かけない。事情は違っても俺も似たような姿で歩いているのかと思ったら、ふと心変わりして車のところへ引き返した。
バークレー君は如何ですか。台風も近づきつつあります。心配ですね。
胸をつくお話です。
私のブログでpoloさんに謝らせてしまって、申し訳なく思っています。
poloさんの人を思いやる心は充分に分かっています。
突いたら驚くがな ですね(恥)
poloさん一人散歩の写真、かなり増水しているようですね。
散歩からの思い出話、痛みとして残っている様子が伝わってきます。
愛犬を亡くした女性の痛みも、その方と関わりあって知ったことに対する痛みも・・・
・・・何か、去年の自分を見てるようで辛くなります。・・・お気持ちは十分わかっています。
poloさん、バークレーはまだ一生懸命生きているのですよ。
一緒に傍にいて上げてください。お願いします。
もう、こんなこと書きません。
勝手なこと云ってすまんです。
数日で抜糸となりますから、そうすればカラーは外されることでしょう。