8月29日、国は南海トラフ巨大地震による津波高・浸水域の推計と被害想定について公表しました。こうした推計・想定は、かなり複雑な計算式や考え方に基づいて策定されており、そうした部分もある程度理解しておかなければ、思わぬ誤解や、いざと言う時の誤った行動につながりかねません。地元の皆様から様々な質問を受けることもあり、そこで、何回かに分けて、私の理解している範囲で若干の解説を試みたいと思います。
①南海トラフで次に発生する地震・津波が、今回公表された「最大クラスの地震・津波」であるという意味ではない
南海トラフ(駿河湾の富士川河口付近を基点として、御前崎沖、潮岬沖、室戸岬沖を通って九州沖に達する深い溝(トラフ))では100年から150年程の周期でM8クラスの地震が過去に発生しており、近い将来、東海地震、あるいは、1707年の宝永地震(49日後に富士山噴火)のような東海・東南海・南海の3連動地震が発生する可能性があるとされています。
今回の「最大クラスの地震・津波」は、東日本大震災を受け、最新の科学的知見で考えられる「あらゆる可能性を考慮した」想定であり、これまでに確認されている南海トラフでの過去の大地震の規模を大きく上回るもの(M9クラス)です。つまり、M9クラスの地震が南海トラフで過去に発生した証拠は確認されておらず、現在の研究レベルでは今後の発生時期を予測することはできませんが、その発生頻度は極めて低い(例えば、千年から数千年に1度?)とされています。
②「最大クラスの地震・津波」が発生したからといって、13mの津波が直ちに駿河区を襲うという意味ではない
今回の想定では、11のケースについて計算が行われ、駿河区の場合、そのうちの1つのケースで最大13m、2つのケースで最大12m(※駿河区の海岸全域をそうした高さの津波が襲うという意味ではありません)の津波が来るとされています。つまり、「最大クラスの地震・津波」が発生したら必ず駿河区を13mの津波が襲うという意味ではありません。実際の発生の仕方や発生時の潮位等にもよります。
また、今回の想定では、津波が最大クラスのケースでも、1mの津波が駿河区に到達するまで4~6分、5mの津波は6~8分、10m以上の津波は16~17分掛かるとされています。1~5m程度の津波は現在の第3次被害想定のほぼ範囲内であり、既存の堤防等でもかなり防ぐことができると考えられますので、10m以上の津波が到達しても大丈夫な地点や施設まで16分以内に逃げれば十分助かるということになります。地震が発生したら直ちにそして諦めずに、海岸からより遠くより高い所を目指して避難することが、やはり肝心なのです。
お読み下さり、ありがとうございます。
①南海トラフで次に発生する地震・津波が、今回公表された「最大クラスの地震・津波」であるという意味ではない
南海トラフ(駿河湾の富士川河口付近を基点として、御前崎沖、潮岬沖、室戸岬沖を通って九州沖に達する深い溝(トラフ))では100年から150年程の周期でM8クラスの地震が過去に発生しており、近い将来、東海地震、あるいは、1707年の宝永地震(49日後に富士山噴火)のような東海・東南海・南海の3連動地震が発生する可能性があるとされています。
今回の「最大クラスの地震・津波」は、東日本大震災を受け、最新の科学的知見で考えられる「あらゆる可能性を考慮した」想定であり、これまでに確認されている南海トラフでの過去の大地震の規模を大きく上回るもの(M9クラス)です。つまり、M9クラスの地震が南海トラフで過去に発生した証拠は確認されておらず、現在の研究レベルでは今後の発生時期を予測することはできませんが、その発生頻度は極めて低い(例えば、千年から数千年に1度?)とされています。
②「最大クラスの地震・津波」が発生したからといって、13mの津波が直ちに駿河区を襲うという意味ではない
今回の想定では、11のケースについて計算が行われ、駿河区の場合、そのうちの1つのケースで最大13m、2つのケースで最大12m(※駿河区の海岸全域をそうした高さの津波が襲うという意味ではありません)の津波が来るとされています。つまり、「最大クラスの地震・津波」が発生したら必ず駿河区を13mの津波が襲うという意味ではありません。実際の発生の仕方や発生時の潮位等にもよります。
また、今回の想定では、津波が最大クラスのケースでも、1mの津波が駿河区に到達するまで4~6分、5mの津波は6~8分、10m以上の津波は16~17分掛かるとされています。1~5m程度の津波は現在の第3次被害想定のほぼ範囲内であり、既存の堤防等でもかなり防ぐことができると考えられますので、10m以上の津波が到達しても大丈夫な地点や施設まで16分以内に逃げれば十分助かるということになります。地震が発生したら直ちにそして諦めずに、海岸からより遠くより高い所を目指して避難することが、やはり肝心なのです。
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