7月18、19日に、県議会の企画文化観光委員会で県内視察を実施しました。視察先は、静岡県立大学(短期大学部)、中部電力東清水変電所、同大井川電力センター、同塩郷堰堤、同川口発電所、そして大井川鐵道本社(SL等)です。今回はその中でも、宣伝もかねて、大井川鐵道(※「鉄」は「金」を「失」うと書くことから縁起が悪いので「鐵」という字を使っているようです)の特にSLについて触れたいと思います。
当日は、お忙しい中を、伊藤社長から大井川鐵道の経営環境について説明を伺いました。大井川鐵道の場合、収益性の高いSLを中心とした団体ツアーの誘客により平成17年度から経常黒字に転換した(昨年度は大震災等の影響により赤字)ということで、説明やその後の質疑の中心はSLに関するものとなりました。
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※昨年10月に設置された転車台に載った「C12164」。見た目は綺麗ですが、ボイラー故障のため現在は自力では動きません。
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※転車台はこんな感じに(写真では分かりづらいですが)電動で回転します。人力でも回転可能ですが、かなり大変だということなので挑戦しませんでした。
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※SLの燃料の豆炭。新金谷-千頭間(37.2km)を往復するのに約1トン必要だそうです。ちなみに水は7千リットル(ドラム缶35本分)必要とのこと。
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※廃材置き場ではありません。豆炭焚きつけ用の木材です。
現在、大井川鐵道が所有するSLは計6両。最も古いものは昭和5年(1930年)製で、最も新しい車両でも昭和21年(1946年)製。しかしながら、その最も新しい車両ともう1両はボイラーが破損しているため動かすことが出来ず、現在稼動可能なものは4両だけ。しかも、いずれも製造して70~80年が経過しています。ですから、定期的に点検し故障部分や部品を修理・交換しながら何とか維持しているわけですが、新たにSLを製造しているところはありませんので、そうした修理の技術や部品を維持・確保することは年々、難しくなってきています。ちなみにボイラーを交換するのに4億円位掛かるそうで、頑張っても年間に1億円超ぐらいの営業収益しかでない大井川鐵道にとって、そうした大規模修理の経費の負担はなかなかできないということです。
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※最も古い「C108」。近くで見ると本当にボロボロに見えますが、現役です。
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※「C108」の脇腹。かなり錆びています。これでも現役です。
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※運転室の運転席側。運転席側の窓からは左側しか前は見えないので、右側は機関助士が確認するとのこと。
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※様々な計器が並んでいます。やはり年季を感じます。運転中の室内は60度もの暑さになるそうです。
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※石炭を入れる焚き口です。
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※火室内部です。長年の使用により壁が薄くなってきているそうです。
とはいえ、SLが動かなくなったら大井川鐵道の状況は益々悪くなり、その結果、鉄道そのものが廃止となれば地元の方の貴重な足がなくなってしまいます。また、SLはやはり貴重な観光資源ですので何とかしたい…それにはまず、更に多くの観光客にSLを利用してもらってより多くの収益を上げ、SLの維持費用を捻出することが必要です。ただ、SLというのは、実際に乗ってみれば分かりますが、乗り込んでしまうと、普通の古い電車とそんなに変わりません。SLは実際に煙を上げて走っているところや、駅に入ったり出発したりする時の姿は魅力的ですが、乗ってしまうと、正直、面白いものではないのです(個人的な感想ですが)。車窓の景色も、のどかではありますが魅力十分とは言えません。ですから、乗車中も何か楽しくなる魅力的な仕掛けがないと、更なる誘客は難しいように思いますし、実際、そういう認識を会社側もお持ちでした。大井川のSLには特に台湾人観光客も団体で訪れるということでしたが(なぜか中国と韓国の団体客は殆どないとのこと)、外国人観光客は特に短時間であれこれ楽しむ必要があるのですから、そこで、例えば、SL乗車中に、お寿司とか焼肉とかしゃぶしゃぶ等の食べ放題をやってみたらどうかという素人ながらの提案をさせて頂きました。食事ということであれば駅弁を提供しているし、食べ放題となると車両の関係でなかなか難しいという回答でしたが、何か思い切ったことをやらないと大幅な増益は難しいのではないでしょうか…
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※青く塗られた「C11227」。少し「きかんしゃトーマス」の雰囲気あり?実際、きかんしゃトーマスの格好にしてみたら人気が出るのではと聞いたところ、以前、ミニSLを作ってトーマスの顔をつけたが、それだけでも許可をもらうのに数十万円掛かったので、実物大ではとても無理とのことでした。
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※7月21日静岡新聞記事。青いSLは「SLくん」として7月21日から期間限定で走っています。子どもたちと一緒に是非!!
どうしても収益だけではSLの維持が難しいということであれば、募金等でもするなりして何とか維持したいものです。何かいいアイデアがあれば教えて下さい。静岡県の財産としてみんなで守っていきましょう!
お読み下さり、ありがとうございます。
当日は、お忙しい中を、伊藤社長から大井川鐵道の経営環境について説明を伺いました。大井川鐵道の場合、収益性の高いSLを中心とした団体ツアーの誘客により平成17年度から経常黒字に転換した(昨年度は大震災等の影響により赤字)ということで、説明やその後の質疑の中心はSLに関するものとなりました。
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※昨年10月に設置された転車台に載った「C12164」。見た目は綺麗ですが、ボイラー故障のため現在は自力では動きません。
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※転車台はこんな感じに(写真では分かりづらいですが)電動で回転します。人力でも回転可能ですが、かなり大変だということなので挑戦しませんでした。
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※SLの燃料の豆炭。新金谷-千頭間(37.2km)を往復するのに約1トン必要だそうです。ちなみに水は7千リットル(ドラム缶35本分)必要とのこと。
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※廃材置き場ではありません。豆炭焚きつけ用の木材です。
現在、大井川鐵道が所有するSLは計6両。最も古いものは昭和5年(1930年)製で、最も新しい車両でも昭和21年(1946年)製。しかしながら、その最も新しい車両ともう1両はボイラーが破損しているため動かすことが出来ず、現在稼動可能なものは4両だけ。しかも、いずれも製造して70~80年が経過しています。ですから、定期的に点検し故障部分や部品を修理・交換しながら何とか維持しているわけですが、新たにSLを製造しているところはありませんので、そうした修理の技術や部品を維持・確保することは年々、難しくなってきています。ちなみにボイラーを交換するのに4億円位掛かるそうで、頑張っても年間に1億円超ぐらいの営業収益しかでない大井川鐵道にとって、そうした大規模修理の経費の負担はなかなかできないということです。
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※最も古い「C108」。近くで見ると本当にボロボロに見えますが、現役です。
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※「C108」の脇腹。かなり錆びています。これでも現役です。
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※様々な計器が並んでいます。やはり年季を感じます。運転中の室内は60度もの暑さになるそうです。
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※石炭を入れる焚き口です。
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とはいえ、SLが動かなくなったら大井川鐵道の状況は益々悪くなり、その結果、鉄道そのものが廃止となれば地元の方の貴重な足がなくなってしまいます。また、SLはやはり貴重な観光資源ですので何とかしたい…それにはまず、更に多くの観光客にSLを利用してもらってより多くの収益を上げ、SLの維持費用を捻出することが必要です。ただ、SLというのは、実際に乗ってみれば分かりますが、乗り込んでしまうと、普通の古い電車とそんなに変わりません。SLは実際に煙を上げて走っているところや、駅に入ったり出発したりする時の姿は魅力的ですが、乗ってしまうと、正直、面白いものではないのです(個人的な感想ですが)。車窓の景色も、のどかではありますが魅力十分とは言えません。ですから、乗車中も何か楽しくなる魅力的な仕掛けがないと、更なる誘客は難しいように思いますし、実際、そういう認識を会社側もお持ちでした。大井川のSLには特に台湾人観光客も団体で訪れるということでしたが(なぜか中国と韓国の団体客は殆どないとのこと)、外国人観光客は特に短時間であれこれ楽しむ必要があるのですから、そこで、例えば、SL乗車中に、お寿司とか焼肉とかしゃぶしゃぶ等の食べ放題をやってみたらどうかという素人ながらの提案をさせて頂きました。食事ということであれば駅弁を提供しているし、食べ放題となると車両の関係でなかなか難しいという回答でしたが、何か思い切ったことをやらないと大幅な増益は難しいのではないでしょうか…
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※青く塗られた「C11227」。少し「きかんしゃトーマス」の雰囲気あり?実際、きかんしゃトーマスの格好にしてみたら人気が出るのではと聞いたところ、以前、ミニSLを作ってトーマスの顔をつけたが、それだけでも許可をもらうのに数十万円掛かったので、実物大ではとても無理とのことでした。
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※7月21日静岡新聞記事。青いSLは「SLくん」として7月21日から期間限定で走っています。子どもたちと一緒に是非!!
どうしても収益だけではSLの維持が難しいということであれば、募金等でもするなりして何とか維持したいものです。何かいいアイデアがあれば教えて下さい。静岡県の財産としてみんなで守っていきましょう!
お読み下さり、ありがとうございます。