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人をツナグ、人を支える医療:キュアからケアへ
財政破綻に伴い,171床あった夕張市立総合病院は19床の診療所となりました。高齢化率が全国の市でトップの45%、そして1人暮らしが多い夕張にとっては、一見、医療破綻とも言うべき事態に思えますが、そんな夕張を「支える医療」が正に支えています。
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※夕張市役所内の掲示。1世帯当たりの人口が2人未満であることが分かります。
市立診療所の所長でもある高木医師は週3回程、自ら運転して訪問診療を行なっています。24時間介護を行なっている介護士とも連携しており、家族の方は、何かあればまず介護士に連絡し、医師の診察が必要な場合には介護士が医師に連絡するという体制になっています。そのため、救急車の出動回数が大幅に減りました。また、病気と「たたかう医療(キュア)」ではなく、生活を「支える医療(ケア)」を訪問診療や予防医療によって進めてきた結果、高齢者1人当たりの医療費も大幅に下がっています。夕張の高齢者は健康になってきているのです。
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※愛知県から夕張に来られている高木所長。「現場は大変だが、地道にコツコツやっていくしかない」と言う高木所長に地域医療に懸ける強い意志を感じました。
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※患者さんのお宅を訪問する高木所長。ご好意で私も2軒同行させてもらいました。
[Title of Talk] | Hiroyuki Morita | TEDxKagoshima
※夕張の医療について、高橋所長の前任者である森田医師が語っています。
人をツナグ、夕張をツナグ:人は最大の資源
夕張の将来は明るいと思わせるのは、やはり元気な人達の存在です。東京都職員として夕張に派遣されその後市長となった鈴木直道市長(33歳!)は、人口減少や高齢化が進むことを前提としたまちづくりの先駆者として、市内はもちろん、全国、海外を夕張市のアピールに奔走しています。財政破綻直後の7年前から続いている「ゆうばり再生市民会議」では、破綻後に夕張にUターンした方、高校生の頃から参加している方など夕張を深く愛する人達が、自分達で出来るまちづくりを楽しく続けています。
9600人程の人口でもしっかりツナガルことが出来れば大きな力になると考え行動している方達です。夕張の夢が、私にははっきりと見えたように感じました。また、静岡県は最優先で夕張市に職員を派遣すべきと改めて感じました。
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※私より一回り若い鈴木市長。でも貫禄十分です。私の右後ろに見えるのは、夕張市の(事実上公認?)「ゆるくないゆるキャラ」である「メロン熊」のグッズ。
![]() | やらなきゃゼロ!――財政破綻した夕張を元気にする全国最年少市長の挑戦 (岩波ジュニア新書) |
鈴木直道 | |
岩波書店 |
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※ゆうばり再生市民会議の皆さん。夕張市への想いを沢山語って下さいました。
お読み下さり、ありがとうございます。