* 貰ったり、林縁や野原から採取した蛹(春型:蛹で冬越しして春に羽化する)が成虫になる様子を見ていきます。夏型もほとんど同じです。
蛹が羽化して成虫・チョウになります。
⇒成虫が食草に産卵します。
⇒その卵が孵化して幼虫になり、
⇒幼虫が成長して前蛹になり、蛹になります。
⇒その蛹が羽化して成虫になり、タマゴをうみます。
卵、幼虫、蛹、成虫と4つの成長段階があります。
完全変態ですね。
かんぜん? へんたい?
なんだろう?
かんぜんへんたいがあるのだから、ふかんぜんへんたいもあるのだろうな?
・・・・?
いろいろな こんちゅうを みてくると せいちょうのちがいに きがついてくる。そのちがいから かんぜんへんたい・ふかんぜんへんたいなども「うん?!」「これは!」「これ!」とわかってくるよ。
★ 今は春型の蛹から始めていますが、次は皆で食草を準備し、卵や幼虫が成長する様子から観察しましょう。
★ 飼育方法も観察の仕方も色いろな遣り方ができます。観察しながら自分で研究・工夫していこう。
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キアゲハ? チョウ? 蛹(さなぎ)? 羽化(うか)? なんだろう?
さなぎは うごきまわりません。えさもたべないし、ふんもしません。
* ようちゅうのときに いっぱいたべて ふんもいっぱいしたよ。
すこしの よういをするだけで 《 わ~!じーっ なに? お~!じーっ なぜ? 》と、おどろきとかんどうとふしぎで ドキドキしながら みいっていけます。
● 準備しよう
①トイレットペーパー・ポリ袋 (支柱-サナギの止り木を、立てておく。ビンなどでもOK) ②しきもの ③わりばし
● トイレットペーパーをポリ袋でくるみ、 蛹の付いた紙の棒(支柱) を 芯にさします。蛹は、傾いて、ぶら下った状態になります。
採取したものは、もとあったようにします。
― ベランダや庭で成長した幼虫は、壁や軒下のヒサシで蛹になっています。垂直や水平になっていても平気なのですね。傾き加減などもあまり気にしなくてよさそう。
● 紙の棒は、上部をカーブさせます。羽化したあと、つかまりやすく & はねを かわかしやすくするため。
― 紙の棒(支柱):紙縒り(こより)を巻く要領で、新聞紙4分の1を棒状に巻いたもの。
これは、試みの一つです。最初は、わりばしを粘土にたてる、などして使ってみましょう。
― 夏、勢いのあるときは落ちる心配もまずありません。カーブし忘れても大丈夫。
― 割り箸は、蝶が落ちたときに自力で登らせるために使います。
(そのまえに、不織布・台所用品などを貼り、落ちないような工夫をしておきますが)
● とびたつとき なんかいか おしっこをします。 しんぶんし などを しいておこう。
* 夜中や留守中などに羽化しそうなときは、支柱を短くして大きめの飼育ケースやかごにいれてもよいし、なければ大きめのポリ袋に入れておくと、少し安心ですね。
他の方法もかんがえよう。止まり易い布や紙などを工夫していれておく。
* さなぎが ぼうから はずれたときは。
― 4.5センチ四方くらいのざら紙を、円錐状にまるめ、さなぎの おさまりがよいように ぼうにとりつけて、そのなかにいれます。
扇状のざら紙で、ぼうとさなぎを、もとあったようにグルリと巻くのもカンタンですね。
ほかにも やりかたがあるかな。くふうしてやってみよう。
注意:せっちゃくざいは使わないようにしよう。なぜだろう?
* さなぎが かえったとき おちることがあります。
わりばしやこえだなどチョウのまえに さしだすと じぶんで のぼってきて はねをのばしかわかします。
● 観察しよう
★ 子どもの発達段階にそって、大きさは?色や模様は?形は?動きは?等の形態や状態の観察を・・・ 蛹に引き込まれ積極的に見ようとするよう、注意を向けさせます。
☆ さなぎのからだは、クッとそりかえっているよ。
ほそい いとが 2ほんかかっている。 わかるかな?
なんのために? どうやって? かけたのだろう?
じぶんでかけたのかな?
きみならどうする? て で こうやって かける?
て? チョウもさなぎになるとき て をつかうのかなあ? みて たしかめたいね。
☆ ようちゅうは どんなのだろう? いもむし? あおむし?
はっている? どうやって? どんなふうに?
★ ふしぎがいっぱい!すこしづつ、ゆっくりのんびり かんがえよう。考えさせよう。
● 注意しよう
☆ チョウ-昆虫の羽化後の湿って軟らかな体は30~40分~数時間~半日~1日以上かけて乾き硬くなる。自分で飛び立つまで、驚かすことのないよう、そ~としておこう。
また、その間は触らないよう。触ると羽や体が歪み飛べなくなる。
ただ、止むを得ない失敗体験も、できれば、経験したほうが良い。
* 午前中に羽化することが多い。が、夜中や早朝も羽化する。
☆ 手で、成虫を捕まえるときは閉じた羽の付け根ちかく、少しはなれたところを優しくはさみ、指などに捕まらせる。
また、両掌で全体を覆い掬い上げるようにして、優しく羽を閉じていく。
とまっている物によっては足が痛むので無理して引き剥がさないようにする。
☆ 虫一匹一匹の命を大切に。
ただ、生命に対する不思議さに誘われ、無心に殺すなどの幼児期体験から命の尊さを知る。大事ですね。
「殺してはいけない」と厳しく注意する、また優しく教え諭すことからは、命の尊さを真に知ることはできません。
☆ 羽化を見逃しても諦めずチャンスをつくって再びチャレンジしよう。ムシに限らず・・・。
☆ 飛べるようになるまで見たあとは「ありがとう~、元気でね~」と野原や公園など蜜源になる花の咲いていそうなところに放そう。
☆ 草花が咲いているところに、自分でも飛んでいくよ。