マッカーサーは日米戦争終結から六年後の一九五一年五月三日、アメリカ上院の委員会で、かつての日本の戦争についてこう証言しました。
「日本が戦争に飛び込んでいったのは、おもに自衛(security=安全保障)の必要にかられてのことだったのです」
マッカーサーは、かつての日本の戦争について振り返り、日本は戦いたくて戦ったわけではない。またそれは侵略戦争でもなく、むしろ「自衛のためだった」と証言したのです。
今日も、左翼や「反日的日本人」が、「かつての日本の戦争は侵略戦争であった」と言っています。しかし、かつて日本と戦った当のマッカーサー本人が、「日本の戦争は自衛戦争であった」と言っているのですから、これは大変注目に値します。
ある日本の地方議会で、議員のひとりが、
「かつての日本の戦争は自衛戦争だった」
と言いました。すると他の議員たちから、
「なにをバカなことを言っているのか、侵略戦争だろう」
と野次が飛びました。そのとき彼は、マッカーサーの証言を正確に英語で引用し、黒板に書いて、説明を加えて言いました。
「日本と戦った当のマッカーサー自身が、日本の戦争は自衛戦争だったと言っているのです」
こう言うと、議会はシーンと静まりかえり、もはや野次は消え失せたそうです。
日本はなぜこの「自衛戦争」に出なければならなかったのでしょうか。それには次にみるように、幾つかの要因がありました。
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白人は、この生意気な有色人種をどうしても許せませんでした。そして彼らは「オレンジ計画」を作成し、日本の都市をことごとく空襲で焼き払い、原爆を二発落とすまで収まりませんでした。
一方、日本は、当初から日本対白人の戦争をしようと思っていたわけではありません。日本は最後の最後まで、欧米を相手とする国際協調にかけていました。それは忍耐に忍耐を重ねたものです。しかしそれが破綻したとき、日本は自存自衛のために、白人相手に戦うことを辞さなかったのです。
「本当に勝ったのは日本」
日本はかつて大東亜戦争で、アメリカをはじめとする連合国と戦い、負け、結局、何もかも失いました。
戦争なんてバカなことをしたからだ、と思う人もいるでしょう。しかし、あの弱肉強食の植民地時代、残酷きわまりない西欧列強がひしめく時代にあって、はたして本当に戦争が回避できたでしょうか。
幾つか歴史の大きな分かれ目はありました。けれども結局、歴史は戦争へと向かっていきました。それが「歴史の必然」だったというべきでしょう。
ただし、日本の戦争は悪いことばかりだったのではありません。
P・F・ドラッカーという思想家が、日本は物理的には負けたが、本当に勝ったのは日本である、といった意味のことを言っています。
どういうことでしょうか。それは、この戦争で日本が戦ったことによって、それまで西欧諸国が築きあげてきた人種差別世界が打ち砕かれたからです。
あの戦争以前、アジアで近代的な独立国家として歩んでいたのは、日本だけでした。あとはみな、西欧諸国の植民地と化していたのです。それは戦争前の地図をみたら、一目瞭然です。アジアはどこもかしこも西欧の植民地で、白人が黄色人種を支配し、搾取していました。
そのため、アジアはますます貧しくなり、西欧諸国はますます富んでいきました。アジア人は白人にペコペコして、召使いのようになって仕えていました。アジア人は自分の国にいながら、権利を制限され、苛酷な人種差別のもとで暮らしていました。
しかしそのとき日本が、それらの植民地にいる西欧諸国の軍隊を次々に追い出していったのです。そして、日本がアジア諸国にはぐくんだ独立への意志は、そののち日本が敗戦を迎えたあとも、確実に育っていきました。
日本の敗戦後、西欧諸国は再びアジアに来て、植民地化しようとしました。ところがアジア人はもう、彼らの言いなりにはなりませんでした。彼らは戦後、次々に独立していったのです。
結局、大東亜戦争によって、西欧諸国は植民地をすべて失なっただけで終わったのです。一方、日本は戦闘には負けましたが、アジア諸国を西欧から独立させるという目的を果たしました。
戦争に勝ったか負けたかは、戦争目的を達成したかどうかで決まる、とはクラウゼヴィッツの戦争論です。日本の戦争は、人種差別世界を叩きつぶすという目的、また自存自衛の目的を果たしました。その意味で、日本こそ勝ったのです。
これは私たちが誇りにしてよいことです。タイの元・首相ククリッド・プラモードは、新聞にこんな一文を載せています。
「日本のおかげで、アジアの諸国はすべて独立した。日本というお母さんは難産して母体をそこなったが、生まれた子どもはすくすくと育っている。今日、東南アジアの諸国民が、アメリカやイギリスと対等に話ができるのは、いったい誰のおかげであるか。それは身を殺して仁をなした日本というお母さんがあったためである」。
日本の捨て身の一撃が、人種差別世界を叩きつぶしたのです。大東亜戦争は、大航海時代以来の欧米諸国によるアジア・アフリカ収奪の歴史に、終止符を打ちました。これは、いくら評価しても評価しきれないほど、大きな事柄です。
人類史上、画期的な出来事といってよいのです。歴史学者H・G・ウェルズも述べています。
「この戦争は植民地主義に終止符を打ち、白人と有色人種との平等をもたらし、世界連邦の礎石を置いた」。
その主役を果たしたのが日本でした。あの空前のスケールの戦争だった大東亜戦争の意義が、ここにあります。
戦争は、ないに越したことはありません。しかし、もしあの戦争がなかったなら、今もってアジア諸国は西欧の植民地であり続けたでしょう。黄色人種は白人の召使いのように、ペコペコしていなければならなかったでしょう。
西欧はアジアからの搾取によってますます富み、アジアはますます貧しく放置されていたに違いありません。しかし日本の戦争が、その歴史の流れを変えたのです。これは神の配剤でしょう。
久保有政著