「歴史の教科書に使える」
映画の舞台は、バブル絶頂期の日本。
「超売手市場」と言われた就職活動中の大学生を描いたコメディ。
現在(2003年)からは、とうてい考えられないようなバブルっぷりには、観ていて唖然とするというか何というか。
コメディだから脚色はあるんだろうけど、当時のニュースを観ていた私には、このような時代が確かにあったという記憶はある。
っていうか、今後絶対にあり得ないであろう日本のバブル時代の風俗や文化を語る上での、貴重な記録ムービーとも言えなくはない。
んで、そんな貴重なシーンの中でも印象深いものを、以下にネタバレしながらピックアップ。
1.マスコミへの就職がステータス
「マスコミ」「広告代理店」に就職することが学生達のステータスに。
他の業種には「黙っていても受かる」という凄まじい状態。
(マスコミにだけ「就職難易度」なる偏差値があったりする)
就職活動でヒイヒイ言いながら、駆けずり回っていた自分が懐かしい。
黙っていても受からなかったからね。
でも、多分、今なら国家公務員がステータスなんだろうけど……
2.企業が学生を接待
内定者を確保するために、企業が内定者を豪華なレストランで接待。
3.拘束旅行
同じく内定者を確保するために、内定者が他の企業への就職活動を行えないように、内定を出した企業が旅行に連れていってしまう。
(他の企業と連絡が取れない=拘束)
ここで1つ疑問なのは、バブルなのは分かるけど、なんで企業がそんなに労働力を確保したがるのかが理解できなかった。
時代の徒花といってしまえばそれだけだが、今の失業率の高さと、外国への依存度の高さを見るにつけ「不効率な……」と思わざるを得ない。
4.ワープロ
バブルの頃は、ワープロを持参することが流行だったみたい。
いや、これは推測なんだけどさ。
でも、ワープロを持って織田裕二が大学で受講していた。
重たいんじゃないかな……
っていうか、ワープロだし。
5.部屋がデカイ
学生なのに。
6.的場浩二がだらしない(笑)
ちょうど『予備校ブギ』をやっていたころに重なっていて、このときも織田&的場コンビは登場しており、やっぱり的場浩二はだらしない役だった。
これらのシーンを見ていると、就職超氷河期時代に就職活動をしていた私は「羨ましい!」と叫ばずにはおれない。
じゃあ、バブルフル全開のイヤな映画かというと、そうでもなくて。
(マスコミ傾倒主義はイヤだけど)
就職活動に破れて、悔しさ一杯の的場が放つ一言。
「なりたいものになるんじゃない。なれるものを探し始めると、もう大人なんだ」
これは就職活動をしていた自分にも当てはまっていて、就職活動をしていた当初や、今になっても割と胸に響くセリフだった。
『就職戦線異状なし』(CATV)
監督:金子修介
出演:織田裕二、的場浩司、仙道敦子、和久井映見、坂上忍、他
評価:7点
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