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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

ホワイトアウト

2003-07-28 18:22:00 | 映画-2003年

「山男は相変わらず強い」

実家にCATVが引かれており、時節柄『踊る大捜査線 THE MOVIE2』の宣伝のため織田裕二映画がたくさん流れていた。
そんな中で観た一本がこれ。
原作は読んだことがないが、公開当時から割と話題となっていたのを覚えている。

話の粗筋は、テロリストに占拠された巨大ダムを相手取って、たった独りで主人公が果敢に立ち向かう、ハリウッド的なアクション映画。
織田裕二が演じる富樫の真冬の雪山で異常な屈強さが、ますますハリウッド登山映画(『クリフハンガー』『バーティカル・リミット』など)を連想させてしまう。
意図的に「ハリウッド的な」と形容しているところに、すべてが含まれているといってもいい。
本来は、いろいろと登場人物間に葛藤やら確執やら怨念などが絡まっているようなのだが、それがスクリーンからはあんまり読み取れなかった。
ネットでの他の人の感想などを読んでいると、どうやら原作では、ここらへんの人間の感情が色々と絡み合っているところに、小説としての作品性があるようなのだが……
私自身、原作を読んでいないから、映画の対比をしても意味がないと思うので、そこには言及するつもりはない。
だから、単純に映画だけを観ただけの感想としては、前述したような感想にとどまるのみである。

こう、なんていうのかな。見え見えの伏線なんだけど、それがうまく消化されていないって感じなんだな。
例えば、松嶋菜々子が演じる千晶。
彼女は富樫に怨念のような感情を抱いているんだが、特にそれが物語に深く関与してくるわけじゃなかったし。
一応、ラストで付け足し程度に、この感情が氷解することでオチとなるんだけど、この付け足しというか「取って付けた感」が、いかにも「ハリウッド的」。
佐藤浩市や吹越満が演じる悪役たちも、一癖もふた癖もありそうな設定だったのに、なんかテキトーに消化されている感じがした。もったいない。
この「もったいない」感がハリウッド映画に徹しきれなかった、この映画の減点ポイントだろうか。
意味深な伏線は取っ払ってしまい、ハリウッド映画に徹してアクションとミステリーで押しまくれば、もっと評価が高くなったような気がする。

『ホワイトアウト』(CATV)
監督:若松節朗
出演:織田裕二、松嶋菜々子、佐藤浩市、石黒賢、吹越満、古尾谷雅人、他
評価:5点


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