「ジルはどこ?」
もはやゲームの原作としては望むべくもない状態になってしまった今シリーズ。
ミラファンだってのと、前作まで観た惰性とから映画館に行ってきました。
あらかじめ断っておくと、最初からかなり期待値は低かったです(笑)。
案の定というか、期待通りにそこそこな出来の映画になってました。
まず一番重要なのは、この映画はすでにゲームの『バイオハザード』ではなく、アメリカで作られた映画『Resident Evil(アメリカでのゲーム版のタイトル)』の続編であるということ。そこを割り切らないと、そもそもこの映画を楽しむことはできないと思う。
というわけでイントロダクションだが、地球はTウィルスによって生物がほとんど死滅し、植物は枯れて砂漠になっている。生き残っているのはわずかな人間と、大多数のゾンビだけの世界となっている。
この冒頭の時点で、ゲームとの関連性については完全に切り離すべきだろう。
世界が滅んでゾンビだらけの世界ってのは、本家『ゾンビ』とかあのへんの終末ゾンビ映画の系譜なのかな~、と。
そのゾンビだらけの世界を生き残った人間たちは、荒れ果てた荒野を武装した車両に乗って突っ走るというマッドマックスなキャラになっている。
んで、武装車両でゾンビを轢き殺し、重火器でバリバリ撃ち殺す。
なんかコンボイ野郎vsゾンビ軍団みたいな、そんなカンジに仕上がってます。
このゾンビ軍団との戦闘は、アクション映画として観ればまあそこそこかな。
っていうか、すでにホラー映画というジャンルではないでしょう。
突然、大きな音ともにゾンビがフレームインしてくるシーンが結構あるんだけど、これは「びっくり」させられることはあっても、ホラーとしての恐怖ではない。
『バイオハザード』にあった建物を探索するというシチュエーションも、すでに砂漠化した地球では行えないし。
んで、前作でTウィルスに目覚めたアリスは、サイキックパワーまで習得してしまう。もはやロケットランチャーどころではなく、危機をほとんどカンジさせないままラストバトルへ突入して、あっさりとエンド。
繰り返しになるけど、これはもはや『バイオハザード』ではないです。
オープンフィールドでゾンビとガンガン削り合うアクション映画、というカンジで観ていけばそこそこ楽しめるのでは。
終末ゾンビ思想とか、走るゾンビとか、これまで作られたゾンビ映画へのオマージュも見て取れるし。
『マッドマックス』的な世界観も含めて、こういう映画なんだ……ゲームとは違うんだ……という割り切り方で楽しむ映画だと思いました。
上で割り切りが重要だと書いておきながらアレなんだけど、今作ではジルが出ていないのが残念至極。
前作のジルはゲームっぽさがよく出ていて良いキャラだったのにな~。
『バイオハザード3』(映画館)
http://www.sonypictures.jp/movies/residentevilextinction/
監督:ラッセル・マルケイ
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、他
点数:6点