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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習

2007-06-03 20:57:04 | 映画-2007年

「クマって売ってるのかよ」

『映画秘宝』にて町山智浩による記事を読んで以来、すげえ期待しておりましたこの作品。
 一時は日本での公開は無理との情報も流れたけど、この度めでたく公開されました。
 そんなわけで期待してみてきましたよ。

 まず、感想の前に。
『映画秘宝』の記事とは一部内容が異なってました。っていうか、カットされた部分があった模様。
・アメリカの南部で奴隷について質問する
・ウズベキスタン人の大量虐殺について
・ブロードウォーター議員のユダヤ人は地獄に堕ちる発言
・マッサージ中にチンコが立つ
 以上が『映画秘宝』の記事にあったけど劇場版ではなかったシーン。
 テレビ版にあったシーンなのか、劇場版からカットされたシーンなのかはわからないけれど。
 いずれにしても、これらのシーンはなかったッス。

 一応、この映画がどんなのかというと。
「無知で田舎モノのふりをしたボラットが、アメリカ文化を学ぶために横断の旅をする」っていうドキュメンタリー風の作りのコメディ映画。
 ボラットが無知なふりをして、アメリカ人に無茶なことをしまくるというどっきりカメラみたいなもんです。

 んで、本編の感想ですが。
 あまりのバカバカしさに爆笑必死。
 コレに尽きる!
 タブーをことごとく破っていく無茶さと、そのタブーを犯されたときの周囲の人間のリアクションがホントに笑える。
 また、リアクション以外にも「カザフスタンの文化」を演じるボラットとアザマットのやり取りも面白い。
 一部のネットで有名な「いいちこ」も、この映画のワンシーン。劇場でも、このシーンが一番受けてました。
 ただし、ほぼ全編シモネタ、差別ネタ全開なので、そういうのが苦手な人にはオススメしませんが。
(でも、シモネタや差別という概念自体、タブーがあってこそ成り立つのかと思ったりしますが)
 ちなみにユダヤ人大嫌いのボラットですが、演じるサシャ・バロン・コーエンはユダヤ系だそうで。

 ただ、そういうタブー破りだけの映画ってわけでもないです。
 タブーを犯されて不快になる連中ってのは、たいてい学識もあって、それなりの地位もありそうな人々。あるいは保守系に凝り固まってる昔ながらのアメリカ人。
 彼らはボラットにタブーを犯されて、露骨にイヤな顔をし、ボラットの受入を拒否する。
 その一方で下町の怖そうな兄ちゃんや、大酒をかっ喰らってるバカ大学生とか、社会的に白眼視されてそうな連中に限って、ボラットを暖かく迎え入れるっていう対比が、この映画の評価が高いところなのかも、と思ったりしました。
(ちなみに黒人娼婦がボラットと友だちとなるシークエンスは、どうやらヤラセというか、彼女もスタッフだった模様。ただし、彼女を拒むアメリカ人はもちろんシロート)

 ただ、キリスト教の洗礼を受けるシーンに関しては、あれがどういう意味があったのかイマイチわからんかったです。
 あの洗礼そのものを茶化してるの?

 あと、エンドロールのカザフ国営テレビっぽい作り(?)も、無茶が効いていて笑えました。

 どっきりカメラとして見たら、かなり笑えます。
 現代人への皮肉や風刺もドぎつく効いています。
 ただ、シモネタが多いってことで、あえて減点。
 それとカットされたシーンがある(らしい)のと、そのシーンがいずれもオレが観たかったところだったのが残念だったので、それも減点ということで。

『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(映画館)
http://movies.foxjapan.com/borat/
監督:ラリー・チャールズ
出演:サシャ・バロン・コーエン、ケン・デイヴィシャン、他
点数:8点


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