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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

マトリックス・レボリューションズ

2004-04-09 16:16:00 | 映画-2004年

「♪ランランララランランラン」

 というわけで、遅ればせながら『マトリックス・レボリューションズ』をビデオで観た。
 う~ん、前2作は映画館で観たけど、最後はテレビ……これは自らの失態なのだが、やっぱ映画は映画館で観ないとダメだね。
 もったいないことをした。

 んで、見終わったカンジとしては。
 ビデオで観たということを加味してみても、
 マトリックス>リローデッド=レボリューションズ
 ってカンジかな。
 やっぱ一作目の衝撃にはかなわないっていうか。
 あの一作目の映像衝撃が及第点となってしまった現在にあっては、どうしても観る側が感じる当時の衝撃を超えられないのは、やむを得ないか。
 目が肥えたというか、贅沢に慣れてしまったってカンジ。
 それと駆け足感が否めなかったところかな。
 トリニティーが、わりと簡単に死んじゃったり。
 モーフィアスに見せ場がほとんどないっていうか、ナイオビの尻に敷かれてたり。
 そういうナイオビも、マトリックスでの戦闘シーンがなかったり。
 前二作で広げた風呂敷をたたむのに精一杯で、キャラの見せ場が少なかったのが残念。
(つまらんというよりも、物足りないってカンジ)

 んで、ストーリーを冒頭から辿っていくと……

 冒頭、ずっと語りが続くのは、ちと苦痛だったのは否めない。
 一作目が「続編作りたい! だから当たれ!」っていう制作側の熱気でスタートし、二作目が「さあ、見せてやるぜ!」ってカンジで始まった、と思うけど。
 三作目は「二作目の続きです」っていう、落ち着いたテンションだった気がする。
 まあ、続き物としては妥当な作りだけど、掴みが弱いな、と思った。
 ついでに言うと、この語りの部分は、解説や説明を求めたがるオーディエンスと一緒に観ると苦痛だ。
(家族と一緒に観ていたが、ハッキリ言ってウザかった)
 こういうのは、お約束を理解できる人と観ないと楽しくないね。

 眠くなりそうな冒頭を耐えると、最初のバトルが始まる。
 上下逆転のバトルシーンは、掴みとしてはよかった!
 一作目のビルロビーでのバトルを彷彿とさせる。
 でもな~……。
 音響がヘボかったせいもあるんだろうけど、なんかいまいち迫力不足。
 上下逆になっているからこその仕掛けとかアクションを観たかった。
 ついでに言うと、ガンアクションのシーンも、実はここだけという物足りなさ。
 モーフィアスも、ここを最後に影が薄くなっていく。

 その後、またダラダラっと語りを挟んで。

 ザイオンでのセンチネルとの戦闘。
 たぶん、この映画の中では最大の見せ場となるところだと思う。
 見せ場らしく、カッコイイ場面が随所にあった。
 特に注目すべきは、やはりパワードスーツもといAPUでの戦闘シーン。
 ここだけを観てると、「やっぱ、みんなロボット好きなんだな~」と。
『エイリアン2』でできなかったことや、『スターシップ・トゥルーパーズ』で断念したことが、かなり結実してるってカンジ。

 苦言を呈するようなところは、あんまりないんだけど。でも、あえて言うなら。

 ミフネには、やっぱ刀で戦ってほしかった(笑)。しかも、二刀流で。
(大神隊長ばりにね)

 ここをクローズアップしすぎたせいで、マトリックス組のモーフィアスやナイオビに見せ場があんまりなかったのも残念。
 特にモーフィアスは、ナイオビの尻に敷かれるわ、評議会ではトンチキ扱いされるわで、散々な扱い。
 ナイオビが絶妙な操縦テクで見せ場を作ってただけに、余計に残念感が漂う。
 一作目ではあんなに立ってたキャラなのに。
 なんか、もったいない。

 あと、この戦闘シーンに関しては、近年の戦争映画に見られるような、グロリアリズムでいってほしかった。
 灼けた銃身で火傷したり、頭が吹っ飛んだり、肉片が飛び散ったり、そんなカンジで。
 まあ、レーティングのこともあるので。
 世界中の映画ファンに配慮したという点では、制作側の意図は最大限尊重したいけど。
 でも、マトリックス=仮想世界に対比されるザイオン=現実世界なのだから、あえて血飛沫が飛び散るような描写にしてほしかった気もする。
(ネオVSスミスでは、ほとんど血が流れないでしょ?)

 そして、救世主なのにトンチキ扱いされたネオが、最後のラストバトルに向かうわけだけど。

 まず、トリニティー、簡単に死にすぎ!
『リローデッド』で予測されていたんだけど。こんなもんか、ってカンジの死に方。
 まあ、ここでトリニティーに語られても、冗長になりすぎるんで、ストーリー的にはサクッと死んでもらった方が良いのかもしれないけど。
 根拠はないけど、ネオと一緒にマトリックスに行くと思ってただけに、ちと残念だった。

 で、スミスとのラストバトル。
 映画やビデオの宣伝素材として、さんざんっぱら使われてきたシーンだ。
 ラストバトルの冒頭、激しい豪雨が街を濡らすところは、なんとなく黒沢の映画をカンジさせた。最後の決戦ってことで、『七人の侍』かな。
 このラストバトルのシーン、面白かったのは雨を効果的に使っていたところ。
 全編通して水しぶきが飛び散り、アクションに迫力を与えているように見えた。
(ドゥルーズも『七人の侍』で、垂直方向に降る雨が人馬の動きに躍動感を与える、といっている)
 また、パンチが雨だれを打つシーンとか。
(『HERO』でもあったな)
 衝撃波で雨が膨張して、弾け飛ぶシーンとか。
(現実的ではないが印象的で、一作目のヘリがビルに衝突するシーンみたい)
 視覚効果として、雨が効果的に使われていた。

 でもなぁ……肝心のネオVSスミス戦が淡泊すぎたのが残念だった。
『ドラゴンボール』そのものというか、
 ガツーン! ドカーン! クソォ!(エンドレス)
 ってカンジで。
 一作目、地下鉄ホームでのカンフーアクションが強烈すぎたためか、二人の決着としては、すごくもったいなかった。

 んで、最後。
 ネオがスミスを倒したところで。
 機械の触手に支えられているネオ。
「オオッ!?」
 センチネルが、いっせいにザイオンから撤退するところ。
「アアッ!?」
 ナウシカかよ(笑)!って。
 もうね、ネオが青き衣を身に纏っているのが見えたよ、ババ様。
 っていうか物知りなのは、どっちも「婆さん」だったか。
 まあ、別に良いんだけどさ。悪くない。

 んで、最後の最後。
 ザイオンが助かり、マトリックスも保たれた。
 めでたし、めでたし……あれ?
「マトリックスから人類を解放する」ってのは、どうなった?
 結局、このまんま人類はマトリックス維持のためのエネルギー源になるのか?
(マトリックスを抜けたい人はご自由に、っていうようなニュアンスのことは言ってたけど)
 なんか、モーフィアスの頑張りが、あんまり報われないような、そんな終わり方だった。

 とまあ、こんなカンジで長々と書いたけど(2500文字超えてるしな)。
 これは、きっと、この作品が(マトリックスシリーズが)好きな証拠なんだろうな、と。
 好きなものほどいじめたくなるっていうか(笑)。
 そんなカンジ。

 余談ながら。
 ラストバトルを観ながら、マトリックス型のアンチウィルスソフトがあれば、おもろいのにと思ったりした。

『マトリックス・レボリューションズ』(ビデオ)
監督:ウォシャウスキー兄弟
出演: キアヌ・リーヴス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、ヒューゴ・ウィーヴィング、他
評価:いろいろプラス・マイナスして……8点?


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