「さて、アンテオケ教会には、バルナバ、
シメオン、クレネ人ルキオ、ヘロデ王の
乳兄弟ナマエン、サウロなど預言者や教師
がいた。一同が主に礼拝を捧げ、断食して
いると聖霊が『さあ、バルナバとサウロを
私の為に聖別して、彼らに授けておいた
仕事に当たらせなさい』と告げた。そこで
一同は、断食と祈りをして、手を二人の上に
置いた後、出発させた。」
ここからバックストン「使途行伝講義」から
です。
神様は地の果てに至るまでの伝道を始めよう
となさいます。ところが、どの教会から、
それを始めて下さるのでしょう。エルサレム
の使徒たちから始めるのが当然の様に考えら
れます。
しかし、神様は自由な教会に行き、その御声
を聴く事の出来る信者の所へ行って、喜んで
十字架を負う信者を選ばれます。
そのために、アンテオケ教会に、この尊い
働きをお委ねになりました。
神様は、ご自分と一致している教会に語りか
け、その教会に働き人を選別する様に言われ
ます。
「私が召した働き…」神様は、すでに、その
働きの計画を持っておられます。
私たちが、神戸の伝道(この使途行伝講義は
神戸でなされた)、あるいは、日本の伝道の
計画をするのではありません。
時には私達は大きな間違いを犯す事がありま
す。大きな町や、賑やかな大都市へ伝道に行
きますが、少しも成功しません。
神様が、それを、お命じになったのではない
からです。
当時の伝道は、今の伝道とは違い、命懸けで
行わなければなりません。アンテオケの信者
たちも、もう会う事が出来ないかもしれない
と思いながら、涙をもって彼らを遣わした事
でしょう。
「彼らは聖霊に送り出されて…船でキプロス
島に渡った。サラミスに着くと彼らはユダヤ
人の諸会堂で神の言を宣べ始めた。
彼らはヨハネ(マルコ)を助手として連れてい
た。(このマルコは後にマルコの福音書を書
いた人です。)
島全体を巡回して、パポスまで行った所に、
ユダヤ人の魔術師、バルイエスに出会った。
彼は地方総督セルギオ・パウロの所に出入り
していた。
この総督は賢明で、パウロとバルナバを招い
て神の言葉を聞こうとした。ところが魔術師
は総督を信仰から、そらそうとして、しきり
に二人の邪魔をした。
サウロ(又の名はパウロ)は、彼を睨み付けて
言った。
「あらゆる偽りと、邪悪で固まっている悪魔
の子よ。すべて正しい者の敵よ。主の真っ直
ぐな道を曲げる事を止めないのか。
見よ、主のみ手が、お前の上に及んでいる。
お前は、盲目になり、当分、日の光が見えな
くなるのだ。」たちまち、かすみと闇が彼に
かかった為、彼は手探りしながら、手を引い
てくれる人を探して回った。
総督は、この出来事を見て、主の教えに、
すっかり驚き、そして信じた。