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責任を全て自転車に負わせるな

2011-06-12 17:48:59 | 日記

危ない自転車 「車道走行が原則」を忘れずに(読売新聞) - goo ニュース

 自転車の事故,それも自転車が加害者となる事故が後を断たないとは,一サイクリストとしてただただ苦々しく,嘆かわしい限りである.2011年5月20日(金)午前8時15分頃,長野市の昭和通りと長野大通りの交差点北東の歩道上でも自転車と歩行者の事故があった由.実際に自分の住む地元でこういう実例が存在するとなると,深刻さを考えさせられる.

 勿論,正しい交通ルール・交通道徳に全く関心を持っていない自転車の乗り手にも大いに責任はある.しかしこの問題の最大の根源は,ただ苦痛で非能率なだけの自転車しか知らず,あらゆる自転車を1台残らず路上から抹殺することが経済大国の実力の証明と信じているかのように,多くの自転車愛用者の意見にまともに取り合おうとせず,当然の如くに危険や不自由を一方的に自転車にしわ寄せする道路政策の長年の無為無策にある.

 それに,スポーツ系自転車の乗り方・走り方,組み立て・整備等のコーチやメカニックのできる人材の十分な育成をしないまま,数十年前のサイクリング人気も約20年前のMTB人気もものにできず,安易な増収に利用しようとして失敗し(?),以来,かなり上質な優等スポーツ系自転車さえ台湾製に押され,一・二の優良ブランドを除いては不採算で不振をかこっている日本のダメチャリ業界,特に旧態依然の因業な小売店にもかなりの責任はあろう.

 解決策の①番目は,歩行者と自転車の通行区分の完全分離の徹底である.あまり広くもない歩道もだが,必要以上に広い歩道で「歩行者優先」のルールを押し付けること自体が問題なのである.何故,最初から明確に一線を画した構造にしようとしなかったのか.これでは自転車の機能が殺されてしまって,間に合う所も間に合わなくなる.

 ジョギングやウオーキングより広範囲を短時間で効率的に移動できればこその自転車である.中でも自転車の進路上に点字ブロックを敷くなど,愚の骨頂以外の何物でもない.歩道側を1m,車道側を50cm折半すれば,十分安全な自転車専用レーンの整備は容易な筈の幹線道路がかなりあると思われる.それでこそ,歩行者と自転車との軋轢はかなり解消できるだろう.

 ②番目は,自転車教育のドラスチックな改革である.極端な話,キャッチボールなんかできなくてもそれで誰かの命が失われることはないが,自転車に関する間違いは,それこそ,自分のみならず他人の命にも係わる重大な問題である.学校内にせよ外部にせよ,本来どちらの指導に重点を置くべきかは明白であろう.

 現在の高校では,事故・非行・学力低下,それに賠償責任云々……を理由に,主に全日制で二輪・原付等は免許取得からして一切全面禁止という学校が多くなっているが,その裏で,賠償責任保険制度の整備が不十分な自転車の事故の対策が恐ろしいほどお座なりになっていたのではないか.特に加害者の学年が低いほど解決は困難になることが多いだろう.

 だからこそ,より速く,より遠く,より高くへ子供たちの夢を繋いで伸ばす,苦労の先に感動があるスポーツ自転車の素晴らしさ,奥深さを体感させつつ,自分と周囲の他人との安全を守る道徳心の向上を両立させる自転車教育の改革――要するに,成長段階に応じて1日50kmでも100kmでも200kmでも楽しく,かつ安全を第一に完走するための知識の学習と,危険の予測と回避を含む乗り方のトレーニングが絶対必要である.ちょい乗りの手軽な足――という低レベルな意識のままでは,いつまで経っても自転車乗りのモラルの向上は望むべくもない.