正直な先生だった
私が小学校に入学する前、
私の記憶は定かでないが、
悪ガキで、
よくいたずらをしていたらしい。
母も気をつけていたが、
いつも、
見張っているわけにもいかなかった。
何度か、
近所からも苦情が寄せられた。
その私が、小学校に入学した。
それで、担任の先生に
前もって話しをしておこうと思い、
学校に行った。
「申し訳ありません。
息子のことでご相談にあがりました。
入学前、悪いことをよくしていたものですから。
それで、うちの息子はどうでしょうか?」
と聞くと、
「ええ、おっしゃる通り、悪いですよ。
おたくの子どもさんと、Aくんは、
手におえません。」
と、先生は、
とても正直におっしゃった。
大人になってからも、
その習慣が残っていて、
同僚と、ある家を訪問した。
その家の玄関のドアを開ける前に、
彼は、私に言った。
「この家には、恐ろしい犬がいるので
気をつけないといけない」と言った。
そして、彼が、
恐る恐るドアに手をかけ、
開けようとした瞬間、
私は思わず、後ろから、大きな声で、
ワンと言った。
すると同僚は、
驚いて座りこんでしまった。
あの小学校の担任の先生は、
とても、正直だった。
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