「我が身をたどる姫宮」 其の19 - シロガネの草子松本華洋『殉教(伴天連お春)』皇嗣殿下のお誕生日は、その日1日を通して、縁起の良いとされる「大安」でしたから、この日は平日でもきっと国内で何組ものカップルが、結婚式を挙げているでしょう。そういうお目出度い日のお誕生日ですから、早朝お目が覚められた皇嗣妃殿下は、とてもご気分が宜しく、まだお休みの皇嗣殿下に対して「お誕生日、おめでとう御座います。いついつまでも、ご気丈さん(お元気・御所言葉)であらしゃいますこと、ふつつかながらお祈りもうして、おります」と、長年の習慣でそうお声をかけた後、さっと身支度をされて、雨も降っていませんでしたので、ジャージ姿で、御用地内をこれも長年の習慣でジョギングをなされる為、下へ降りられたのです。そして宿直の奥の仕人にお外でジョギングをなさる由を知らせました。仕人は、直ぐ表等へ妃殿下が御...「我が身をたどる姫宮」其の19「我が身をたどる姫宮」 其の19 - シロガネの草子