世界的に活躍中の
指揮者大野和士氏の率いる
フランス国立リヨン歌劇場来日公演記念イベント
大野和士が語る『ホフマン物語』の魅力
(渋谷文化村 オーチャードホールにて)
2013/12/29
に行ってきました。
来年7月のリヨン歌劇場の引越し公演の
レクチャーコンサートだったのですが、
何はともあれ
大野和士さんのオッフェンバックの
【ホフマン物語】への熱い想いのこもった解釈と演技だっぷりのお話、
かつ、今最高に乗りに乗っている二期会の最高の歌い手が加わって
大野さんご自身によるピアノ伴奏で、
ホフマン物語の中の
美味しいとこドリの重唱やソロで
だっぷり楽しめました。
ホフマン=画家でもあり、詩人、作曲家と様々な才能を持つマルチな芸術家
夢や憧れ、イマジネーションを語るときは顔を上げ、ため息をつく。
いつも一生懸命な純粋な気持ちの持ち主。
しかし、現実へ目を下へ向けた瞬間、失望が、
彼をどん底までつき落とす。
そんな純粋な心の持ち主であるホフマン。
このお話は三人の女性との恋物語。
そんな感じだから、
人形に激しい恋をしてしまったり
恋した相手にだまされてしまったり
、、はたまた、、、。
と、
最終的には結局何も手に入れることはできないまま
悲しい最期を迎えるホフマン。。
しかし、
そんな彼を
姿を変えて友としてずっと近くで見ていた芸術の神ミューズが
彼を、この人物こそ
本当の芸術家(詩人)だ
と讃える
というお話。
大野さんの解釈
=秀逸な才能がありながら、純粋で一途で傷つきやすい生きることに不器用で冴えない芸術家こそ実は素晴らしい芸術家=
大野さんのお話は
本当に楽しい。
身振り手振り、顔の表情での表現
または打ちひしがれた時の演技で、
舞台にひざまずく場面
もあったりと
大野さん、演技派です。
しかもこの演奏会
実は1000円。
1時間の予定が、
30分以上も押して
[休憩無し!]の
ぶっ通しでの
熱演説と熱唱。
まいりました。
二期会の歌手の方々も
夏にオペラ【ホフマン物語】を
大成功に導いた精鋭達で
本当に
素晴らしかった。
ソプラノでアントニアを歌った
高橋 絵理さんは、
先の8/7のJRSの定期演奏会
ラターの【子供のミサ】
でご一緒し、
ソロをやってくださった方です。
謙虚で素敵なかたです。
しかし、更にですけれど、
大野さんのピアノ伴奏がこれまた
すんっばらしかった!
随所に素晴らしい響きが空気を包んでいた。
なんとも言えない幸せな気分になった私です。
大野和士さんとの私の最初の出会い、
あれは私がまだ可愛い学生の時。
長門美保歌劇団で
まだ芸大院生だった大野和士氏の
合唱指導を受け
彼の指揮でオペラ【ラ・ボエーム】
をお手伝いさせて頂きました。
その時、
本番を彼は譜面無しで、
つまり暗譜で指揮なさったのです。
オケの人達もこれにはびっくりされていました。
その頃から彼の人物となりも気さくで、
お呼びすると、まだ学生でいらしたので、
すぐかけつけてくださって、
一緒に飲んだりしました。
その後、しばらくお会いしていなくて
それから
4~5年後でしたでしょうか。
本当に久しぶりに江古田のあるお店で大野さんにお会いしたのです。
なんと!
私の名前をおぼえていてくださったのです。
更に感動と驚きでした。
なんという記憶力!
それからあれよあれよと言う間もなく
どんどん活躍が報じられ、
国内外の演奏会だけでなく
ヨーロッパの国立歌劇団の音楽総監督への就任が
報じられたときなど、
自分の事のように嬉しかったのを覚えています。
(確かベルギーの国立モネ劇場だったかと思う)
フランスでは日本人初の国立歌劇場での指揮だとか。
他でも世界的に数々の賞を受賞されたりと
今や超一流のマエストロです。
本当に素晴らしい!