旭川美都にお付き合い頂き有難うございます。
これまで文化芸術都市北海道旭川で生まれ育ったアーティスト(文化人・芸術家・エンターテイナー)を紹介してきました。2021年東京(夏季)2022年北京(冬季)とオリンピック、パラリンピックが続く事もあり旭川出身のアスリートの応援紹介も始める事に致しました。
旭川市の文化芸術都市証明活動をする旭川美都らしくイラストを用いた応援紹介です。イラストを提供して頂いた作家さんも勿論旭川出身者です。
記事の最後にイラスト担当作家さんのリンクステッカーを貼っていますので、是非そちらもご確認下さい。
北口榛花さんは 1998 年生まれ北海道旭川市出身、陸上女子やり投の選手です。
3 歳の頃から水泳を始め、水泳と並行して始めたバドミントンでは小学 6 年生の時に全国小学生大会で団体優勝を果たします。中学校にあがっても水泳とバドミントンを両立しそれぞれで好成績を残します。
北口選手は旭川市一の進学校である旭川東高校に進学するのです。正に文武両道を突き進む北口選手でしたが転機が訪れます。
1 年の時です、水泳でインターハイの予選に出場する程の実力の持ち主でした(そのまま水泳を続けると思われていた)が、陸上に転向するのです。
恵まれた体格(現在身⾧ 179 ㎝、当時すでに 170 ㎝を越えていた)と類まれな身体能力を買われ、顧問の誘いで 1 年の秋から陸上競技を本格的に始めました。
水泳とバドミントンで培った柔軟性や肩の強さが発揮され、やり投を始めて僅か 2 か月で北海道大会を優勝します。翌年(2 年時)にはインターハイで優勝。日本ユース選手権、国体の 3 冠を達成しました。
2020 年に開催予定の東京オリンピックに向け代表候補として日本陸上競技連盟の「ダイヤモンドアスリート」に選ばれます。
高 3 の時には世界ユース選手権で女子主将を務め 60m35 の記録で金メダルを獲得しました。
因みに高校生時代はやり投の他にも砲丸投げ、円盤投げもやっていて競技大会に出場していました。
高校を卒業すると地元旭川を離れ日本大学に進みます。
リオデジャネイロオリンピックの出場の望みもありましたが、参加標準記録まで僅かに届かず涙を呑みました。
ゴールデングランプリ川崎では 3 位になるものの、その後右ひじを負傷。怪我は回復したが、思うように成績は伸びず苦しい日々をむかえます。同世代の陸上選手(同じ時期にダイヤモンドアスリートに選ばれた)が記録更新など成績をあげる中なかなか理想通りの成績を残す事は出来ません。
退任によりコーチの不在状態が続く事もあり、苦しい日々が続きますが北口選手は立ち上がるのです。
当時チェコのジュニアコーチをしていたデイビッド・セケラックコーチの指導方法に興味を持ち、北口選手は自ら交渉し、大学 3 年の冬、単身チェコへ渡り 1 か月間の指導を受けるのです(その後もチェコ語を勉強し、セケラック氏等から指導を受けています)。
海外での武者修行の甲斐もあり 2019 年 5 月の第 6 回木南道孝記念陸上競技大会にて日本新記録の 64m36 を投げて優勝。オリンピック参加標準記録を突破します。
2020 年 4 月に JAL(日本航空)に入社。アスリート社員として始動。
同年の日本選手権では優勝を逃すが、2021 年の日本選手権は 61m49 を投げ 2 年ぶりの優勝と伴に東京オリンピック日本代表に内定しました(陸上選手第一号)。
東京オリンピックでは予選の 1 投目で 62m06 を記録し、全体の 6 位で決勝進出を決めた。
笑顔で飛び跳ねる姿は話題になりました(本人は反省しているらしいが、あれは凄く人間味溢れた良いシーンだと思う)。
※オリンピック女子やり投で日本人が決勝に残るのは前回の東京オリンピック(1964 年)以来の事である。
決勝は残念ながら記録は伸びず涙で終わる大会となった。
実は予選後、脇腹を痛めており満足に練習も出来なかったという。決勝は痛みをおしての出場だった。
結果は本人にとって不本意だったかも知れないが、間違いなく日本人女子が投擲種目で世界に通用する証を残した。予選 1 投目でみせたあの笑顔は日本中、いや、世界中のスポーツファンの記憶に残った。
悔しさをバネに自ら行動し、世界の頂点に手が伸びる所まで来た!その姿は本人の自信へ繋がるばかりか、多くの方々に希望を与えたに違いない。
2022年6月に開催されたダイヤモンドリーグにて優勝(日本人初)を果たす。
同年7月に開催された世界陸上競技選手権大会(通称世界陸上)では63m27の記録で第3位に入る。5投目を終えた時点では全体で5位であったが、最終の6投目で逆転し、涙の銅メダル獲得となった。フィールド種目でオリンピック、世界陸上を通しメダル獲得は日本人女子として初の快挙である。
作家紹介
ささきさき
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