映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。大富豪に成り上がった夫婦の転落の過程を追ったドキュメンタリー「クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落」です。
このドキュメンタリーのすごいところは、成り上がりの夫婦が総工費100億円の全米一の大豪邸を作り上げるまでの過程を取材するつもりが、リーマンショックにより莫大な負債を抱えると言う転落の人生を描きサンダンス映画祭の受賞と全米で大ヒットを記録したことです。
夢の大豪邸建設に向い、絶頂期を迎えたデビットとその住人の女王として君臨するはずのジャッキー。世界を巻き込んだ大恐慌リーマンショックにより1200億円もの負債を抱えることに、1800億円の資産を銀行による切り売りで失うことを恐れるデビッドは様々な手を使って奔走するのですが、妻のジャッキーはお構いなしに買い物や遊興に。二人の夢冷覚めぬ言動と行動と正反対に娘は冷静に今の状況を観ているのが何とも滑稽です。
一般庶民から観れば、お金持ちの転落程、面白いものはないとばかり次から次への妻の奇行が続き、最後の砦が銀行の抵当に入るのを恐れて、悪巧みと罵詈雑言を浴びせる夫には反省のかけらもなく、後悔だけがつきまとうばかり。
そんな二人に救いなのは元妻との子供である副社長の奔走と元気な子供たち、献身的なお手伝いさんや優しい隣人。つくづく人間は一人では生きていかれないことを痛感する作品でした。