本日の映画レビューは、ダイアナ妃が離婚を決意したクリスマス前後の3日間を描いた「スペンサー ダイアナの決意」です。
没後25年、プリンセスダイアナを取り上げた映画のひとつが今回の作品で、チャールズ現国王の元妻ダイアナの葛藤と離婚への決意を3日間に凝縮した内容です。
愛車ポルシェに一人乗り道に迷う。ヘンリー8世国王の王妃であったアンと自分を重ね合わせる。現国王カミラ夫人と同じ真珠のネックレスを引きちぎるなどダイアナの悲劇的な一面が続きますが、その苦悩するダイアナを演じたクリステン・スチュワートの演技が輝きを放っています。また、個人的には彼女の唯一の友人であり衣装係を演じたサリー・ホーキンスの寄り添う演技が良かったです。
この映画では、エリザベス女王やチャールズ皇太子など王室一族の平然さとダイアナ妃の感情的な部分が対照的に描かれることで、ダイアナ妃を善人的に見せています。ダイアナが不慮の事故死を遂げた頃は、ダイアナに対して同情と支持を持っていました。
最近ネットフリックスの「クラウン」を観てから、少しダイアナに対するイメージは変わりました。もし、彼女がチャールズを愛さなければ悲劇は生まれなかった。それほどまでに彼女は繊細で危うい存在だったのです。そして彼女ほど自分自身を愛した女性はいなかったのではないかと思えます。