ミュンヘン―黒い九月事件の真実角川書店このアイテムの詳細を見る |
トリノオリンピックの日本勢の不調が続いている。
ひょっとして、メダルなしの可能性もあるのかな。朝の番組で、小倉さんが日本の出足の悪さから日本選手が負の連鎖に陥るのではと危惧していた。
負の連鎖と言う言葉は、今日観に行ったミュンヘンにも違う意味で感じた。
僕にとっても、ミュンヘンオリンピックでのイスラエル選手11人のテロによる殺害は衝撃だった。中学生の僕にとって初めて感じるテロの恐怖。
そして、その影で行われていたイスラエルの報復行為が行われていたことは僕の記憶から消えていた。
そして、ミュンヘンを通して観た。その事実はテロに対する報復からは何も生まれず、負の連鎖しか生まないことを語っていた。
国家の正義として実行された報復は、命を受け実行した人間の心さえも蝕み、家族以外の全ての人に猜疑心を抱き、そして国の忠誠心さえも消失させてしまう。
そして、国を失ったユダヤ人を国家が作ってしまう事実をこの映画は静かに描いている。
ミュンヘンを観て、誰もが気づくだろう。報復という言葉に正義はないことを。