丸木俊は、夫の丸木位里と共に原爆の図を描き続けた反戦の画家として有名です。その丸木俊の生誕100年を記念した全貌展とも言うべき企画です。
18才の油彩画にはじまり、20代のモスクワ、パラオの滞在時での作品は、ゴーギャンや印象派の画家に影響が色濃く残っていました。
そして、丸木位里との運命的な出会いにより、原爆の図と言う夫妻のライフワーク的作品群には、戦争の悲惨さを母子像を通して深く描き出され、見るものを自然に凝視させる力を感じました。
戦後に芸術を通して反ファシズムと反戦の道歩まれた夫妻。夫妻でノーベル平和賞にノミネートされ受賞はされませんでしたが、その翌年に夫、位里氏は亡くなります。
五年後、俊氏も敗血症により87歳の生涯を閉じるのですが、夫婦の生涯は日本の戦う芸術家として後世に語り継がれる存在でなければならないと感じました。