映画館で観れなかった作品をDVDで観る。ファッションデザイナーの伝記ドラマ「イヴ・サンローラン」です。
2011年に公開されたドキュメンタリー作品「イヴ・サンローラン」は、彼の残した美術品の数々から、彼のモードにおける美意識を感じる内容でした。そして、3年後の2014年に公開された本作は、彼のプロデューサーでありパートナーであったピエール・ベルジェの回顧録的スタイルでイヴ・サンローランの姿を生々しい程に描いています。
それは、ゲイであった彼の愛の遍歴やパートナーであるベルジェの献身的な愛が支えとなってデザイナーとしての成功が導き出されています。主演のイヴを演じた、ピエール・イネと恋人ベルジェを演じたギョーム・ガリエンヌは国立劇団コメディ・フランセーズに所属する気鋭の新人と中堅俳優で、対照的な個性がぶつかり合う様は見事でした。
ファッションが商業的になり、芸術性が失われている今、モードの革新者であり、その後のファッション界の帝王として斬新なデザインで70年代のファッション史に輝きを放ったイヴ・サンーロラン。その仕事ぶりもつぶさに描かれ、ファッションが芸術となり得る姿を感じる上でも、この作品は重要ではと感じます。
