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映画・ソロモンの偽証 後篇・裁判

宮部みゆきのミステリーを映画化した映画「ソロモンの偽証 後篇・裁判」を観賞。

 

前篇、後篇の2部作からなる本作。前篇では、クリスマスの夜に学校で死を遂げた同級生柏木と謎の告発状により嫌疑をかけられた不良同級生大出。事件の真相を生徒自らが学校裁判により明らかにしようと主人公、藤野涼子と他校生で柏木の友人だった神原が、検事と弁護人役で学校裁判を実現までの過程を描いてました。

後篇では、学校裁判の内容が描かれて、事件の真実が明らかになります。聞き込みにより証人を導きだし、事件の鍵を握る同級生を説得する姿は、中学生の真実を知りたいと思う純粋な心に満ち、大人たちが浮かれていたバブル時代を背景に描かれているだけあって、余計に子供たちの真摯な姿に共感を持ちます。

そんな子供たちの熱意に揺り動かされ大人たちが、建前を捨てて本音で語る裁判過程はごっことは言い難いほどの迫力があります。今回の映画が主演にして藤野涼子の役名でデビューとなった彼女の自然体の演技は秀逸です。ラジオでインタビューを以前聞きましたが15歳とは思えない受け答えに未来の大女優の器を感じました。

館内では、20代の若者たちが静かに映画を見つめている空気を感じました。そんな若者に交じって親世代の大人の姿もありましたが、そんな若者たちとは違う飲食をしながら落ち着かない気配を感じ、同じ世代のものとして恥ずかしさを感じました。

この映画は、いつの時代にも変わることのない悩み苦しみながらも、真実に真正面から向かう清廉な子供たちの心が描かれていて深い感動を持ちました。

前篇を観てなくてもぜひ後篇だけでも観てほしい良質な日本映画です。


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