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映画 TITANE/チタン

ポスター画像

本日の映画レビューは、カンヌ史上最も奇天烈と言われる異色にして2021年のパルムドール受賞作「TITANE/チタン」です。

カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた今回の作品ですが、2020年の中止を得てこの作品が選ばれるのは驚きです。かつてのパルムドール受賞作品は社会派ドラマが多いのに対して、バイオレンスとファンタジーが融合した未だかつてない内容に思います。

物語は幼少期の交通事故で頭にチタンを埋められた主人公アレクシアは、車に対して異常な執着心と狂気を抱えながら危険な行動を繰り返していきます。その危険な行動とある秘密により逃亡者となったアレクシアは、消防士のヴィンセントと出会います。アレクシアとヴィンセントの出会いにより奇想天外な展開へと進んでいきます。

全編に夜のイメージが強くネオンの輝きや美しいフォルムの車、主人公を演じたアガト・ルセルのそしてセクシーなダンサー姿と衝動による狂気、一転して変貌する逃亡者の姿に圧倒されグロテスクの中にどこか美を称えるような恐怖を感じます。愛する対象はすべて車である彼女のファンタジーの着想にもどこかあり得るように感じてしまいます。

前半は、バイオレンスとホラーな内容から一転する後半の展開があって、なるほどパルムドールだなと感じます。

女性監督であるジュリア・デュクルノーはインタビューで影響を受けた監督としてデビッド・クローネンバーグの他に深作欣二、三池崇史、中田秀夫を挙げたことで納得と独特な感性を感じました。バイオレンスとホラーが好きな方には必見の作品です。


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