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人口10万人以上の豪雪都市ベスト5

2022-03-13 15:37:00 | 日記

北海道から北陸にかけての日本海側は、世界でも有数の豪雪地帯として知られています。

また、そのような豪雪地帯に多くの人が住む都市が存在するのは、世界的にも大変珍しくなっています。

そこで、日本国内の人口10万人以上の都市の中で、降雪量や最深積雪が多い(大きい)ところはどこなのか、調べてみました。

まず、ピックアップした都市ですが、日本海側の人口10万人以上の都市を次のとおりピックアップしました。

【北海道】

 旭川市(32.9万人)、札幌市(197.3万人)、小樽市(11.1万人)、江別市(12.1万人)

【東北】

 青森市(27.5万人)、弘前市(16.8万人)、秋田市(30.8万人)、山形市(24.8万人)、会津若松市(11.7万人)

【新潟、北陸】

 長岡市(26.7万人)、上越市(18.8万人)、富山市(41.4万人)、福井市(26.2万人)

旭川、青森、上越など、雪が多いイメージの都市がたくさんあります。

まずは、年降雪量(平年値)のベスト5を見てみます。(弘前と長岡は降雪量の集計方法が他都市と異なるため除外しています)

第5位 札幌市 479cm

第3位タイ 小樽市、江別市 556cm

第2位 旭川市 557cm

第1位 青森市 567cm 

1位は毎年雪のニュースで必ずといってもいいほど取り上げられ、津軽海峡冬景色などの雪を題材とした歌でも知られる、青森県青森市でした。

そして、2位には、北海道の人口でも第2位の都市、旭川市が入りました。旭川市は日本歴代1位の最低気温(-41.0℃)の記録を持つ都市としても知られています。

3位タイの小樽市と江別市は、いずれも札幌市に隣接する都市です。

5位の札幌市は、今回ピックアップした都市の中で唯一となる100万人以上の人口を抱える大都市で、200万人近い人口の都市でこれほど降雪量が多い所は世界にも類を見ません。

5位の札幌市以外は、全て550㎝以上の降雪量があり、都市部でこれだけの雪が降ると、除雪した雪の置き場を確保するのも大変です。

続いて、年最深積雪(平年値)のベスト5を見てみると、

第5位 上越市(高田) 96㎝

 豪雪地帯として知られる上越市高田が5位にランクインしました。

第4位 札幌市 97㎝

 札幌市が4位にランクイン。上越市高田よりも上位とは驚きです。

第3位 青森市 101㎝

 ここから1mを超えてきました。降雪量1位の青森市が3位にランクイン。

第2位 江別市 114㎝

 札幌市からの距離は20km程度ですが、降雪量、積雪ともにかなり多くなっています。

第1位 小樽市 118㎝

 北海道屈指の観光地として有名ですが、実は雪もとても多い街です。雪明りの小樽もとてもロマンチックですが、坂道が多いので、車の運転には注意が必要です。

最深積雪の上位も、上越市を除くと降雪量と同じ顔触れとなりました。また、いずれの都市も1m前後の積雪となっていますので、屋根の雪下ろしなども必要になってきますし、路肩には2m以上の雪の壁ができることも多いです。

さて、ここまで、降雪量と最深積雪の平年値によるランキングを見てきましたが、雪が多いと言われる今シーズンはどうだったのでしょうか?

そこで、今シーズンの最深積雪のベスト5も調べてみました。

第5位 小樽市 132㎝

 ここでも小樽市がランクイン。今シーズンもやはり雪が多いです。

第4位 札幌市 133㎝

 札幌市が4位にランクイン。記録的な大雪で、JRなど交通機関に大きな影響が出たのは記憶に新しいところです。

第3位 青森市 149㎝

 やはり、青森市も大変な大雪になっています。道路脇には、3m近い雪の壁がそびえ、除雪や排雪などで市民生活にも影響が出ました。

第2位 上越市高田 153㎝

 豪雪地帯として有名な上越市高田が2位にランクイン。日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)による大雪が話題になりました。

第1位 江別市 172㎝

 今シーズンは札幌の隣町江別市でも記録的な大雪となり、観測史上1位の積雪を記録しました。

北海道の大雪は記憶に新しいところですが、今シーズンは特に人口が集中する札幌市周辺で雪が多かったようです。

ちなみに、昨シーズンは上越市高田で249㎝、長岡市で145㎝、富山市で128㎝など、北陸や新潟県を中心に記録的な大雪となっています。

そこで、過去30年間(1992年~2021年)で1mを超えた年が何回あるか調べてみました。

ベスト5は、

第5位 長岡市 11回

 新潟県中越地方の中心都市、長岡市がランクイン。3年に1回は1mを超える積雪を記録していることになります。

第4位 青森市 13回

 青森市が4位にランクイン。青森市は県庁所在地の中では、最も雪が多い都市です。

第3位 上越市高田 15回

 上越市高田は年によって積雪の差が大きいですが、2年に1回は1mを超える積雪がある計算になります。

第2位 江別市 20回

 ここまでくると、1mに達しない年の方が珍しくなってきます。

第1位 小樽市 21回

 年最深積雪(平年値)のランキングでも1位だった小樽市が、ここでも1位となりました。小樽市では毎冬雪が多いということで間違いなさそうです。

以上、人口10万人以上の豪雪都市について、調べてみましたがいかがでしたでしょうか。

青森市や上越市高田など、雪深いイメージが強い都市もランクインしていますが、意外にも小樽市や江別市といった札幌市周辺の都市の雪が多いことが分かります。ちなみに、人口は10万人未満ですが、同じく札幌圏にある石狩市や岩見沢市は、小樽市や江別市よりもさらに雪が多いことで知られています。

200万人以上の人口が集中する都市圏でこれほど雪が多い所は、世界中を見ても見あたりませんが、それ故に、「さっぽろ雪まつり」のような雪を逆に観光に活用したイベントが生まれたのかもしれません。

最後に、各都市のデータを一覧表にしたので、載せておきます。


最後までご覧いただきありがとうございました☃❄


根雪の終日はいつ?⛄

2022-02-27 21:46:00 | 日記

昨日、今日と季節外れの暖気で、北日本を含めた各地で雪解けが一気に進みました

とはいえ、札幌や青森では、まだ1m以上の積雪が残っています。

※2022.2.27の最深積雪は、札幌107cm青森114cm

そこで、根雪(1cm以上の積雪がある期間)の終日がいつ頃なのか、気象庁のホームページで調べてみました。

すると、平年値は、札幌では4月2日青森では3月23日でした。

ただ、今シーズンは記録的な大雪となっていますので、平年よりは遅くなりそうな感じがします。

そこで、札幌と青森で同じように大雪となった2012冬~2013春の根雪の終日を調べてみました。

今シーズン(2021冬~2022春)と2012冬~2013春の最深積雪は下表のとおりです。

年最深積雪も2/27時点の積雪も、似たような感じであることが分かります。

それでは、2012冬~2013春の根雪の終日はいつだったのか、3月1日以降の日最深積雪の推移を見てみると、

3月上旬までは1m前後の積雪がありますが、3月下旬以降急激に雪解けが進み、青森では4月4日(平年差+12日)札幌では4月13日(平年差+11日)でした。

今シーズンも3月1日時点で1m程度の積雪が残っていそうですので、根雪の終日は平年より10日近く遅くなるかもしれません。

ちなみに、北陸地方の富山の根雪終日の平年値は2月16日ですが、今日(2月27日)現在も積雪が16cmありますので、今シーズンは既に10日以上遅れていることになります。

記録的な大雪となっている今シーズンは、雪解けが進むこれからの時期、融雪に伴う屋根からの落雪や低地の浸水、山間部や急斜面等での雪崩に注意が必要です。

特に気温が急激に上がったり、雨量が多くなる日は、融雪が一気に進みますので、十分にお気を付けください


「雨水(うすい)」と「気温」の関係

2022-02-22 22:25:00 | 日記
2月19日は、二十四節気の一つ「雨水(うすい)」でした。

雨水は、「雪が雨に変わり、雪解けが始まる時期」と言われていて、農作業の準備を始める目安ともされてきたようです。

しかし、昨日・今日と暴風雪や大雪に見舞われるなど、北国では未だに多くの雪が残っており、あまり実感が湧かないかもしれません。

そこで、実際の所はどうなのか、気温の面から「雨水」について調べてみました。

まず、最初に札幌、青森、富山の平均気温の推移を見てみます。




「雨水」(今年は2月19日)は、ちょうど2月中旬と下旬の境目頃にあたります。グラフを見ると、その頃から各地で気温がどんどん上昇しているのが分かります。

一般的に、地上気温が3度を超えると、雪ではなく雨が降ることが多くなりますので、富山では、まさに「雨水」の頃を境にして、雪から雨に主役が変わってくることになります。

しかしながら、札幌や青森といった北の地域では、まだ気温が低く、雨よりも雪が降る日が多そうです。

やはり、札幌や青森では、「雨水」を実感できないのでしょうか・・・

そこで、次に日最高気温の推移を調べてみました。



このグラフを見ると、札幌や青森でも、「雨水」の前後辺りから日最高気温の上がり方が大きくなっており、札幌でもプラスに転じていることが分かります。

日中の気温がプラスになる日が多くなるということは、積もっている雪が解けることにつながります。

つまり、札幌や青森でも「雨水」は「雪解けが徐々に始まる時期」であり、少しずつではありますが、春の足音が聞こえてきそうです。

ただし、この時期は注意しなければならないこともあります。

それは、冬から春に向けて温かい空気と冷たい空気のぶつかり合いが多くなる時期のため、急速に発達する爆弾低気圧が日本付近を通過し、今回のような大荒れの天気になることがあるからです。

そして、このような爆弾低気圧は、「雨水」の頃から3月下旬ごろにかけて発生が多くなります。

爆弾低気圧が通過する際は、春本番のような暖かさから一転して暴風雪や大雪になることもありますので、十分にお気をつけください

節分・立春と雪の関係⛄🌸

2022-02-05 22:24:00 | 日記

昨日(2月4日)は二十四節気の一つ「立春」で、一昨日は春の「節分」でした。

節分はその名のとおり「季節」「分ける」という意味を持ち、春の節分は暦の上で春の始まりの日とされる「立春」の前日にあたります。

しかし、今日も各地で大雪に見舞われるなど、春はまだ遠いようにも感じます⛄️

そこで、節分・立春と雪の関係について、少し調べてみました。

まず、札幌市、青森市、富山市の最深積雪の旬別平年値をグラフにしてみました。

節分・積雪を拡大表示

節分・立春が含まれる2月上旬以降を見ていくと、札幌や青森ではピークがもう少し先ですが、富山では2月上旬がピークであることが分かります。

また、青森では2月中旬、札幌では2月下旬と、気温が低く雪が解けにくい北の地域ほど、最深積雪のピークが遅くなっていることも見てとれます。

次に降る雪の量である降雪量の旬別平年値を見てみると、

いずれの地点とも、1月下旬がピークで、その後は徐々に減っていく傾向にあることが分かります。

つまり、ちょうど節分・立春辺りを境に、雪が降る量は徐々に減っていくことになります。

今日は大雪に見舞われている富山ですが、平年の傾向だと、今後は春に向けたスピードが加速していきそうです。

もちろん、青森や札幌といった北国では、2月はまだまだ気温が低く、雪解けの季節とはなりませんが、節分・立春を迎え、長い冬の折り返し地点は過ぎたと言えるかもしれません


消えた飛行機雲✈️⛅️

2021-07-11 13:32:17 | 日記
 
見上げた夏の空。

飛行機の後ろにスーッと伸びていく飛行機雲

。。。と思っていたら、いきなり途切れてしまったという経験はないでしょうか。

飛行機雲は、飛行機の排ガスに含まれる高温の水蒸気が周囲の冷たい空気に冷やされてできます。

それでは、途切れたということは、ジェットエンジンからの噴射が止まったのでしょうか?

しかし、ジェットエンジンからの噴射がもし止まってしまったら、

飛行機は前に進めないどころか場合によっては浮力を保てなくなってしまいますので、どうやらそうではないようです。

 

では、なぜ?

 

そのヒントは周囲の雲にありました。

画像1

この画像をよく見てみると、

ちょうど、雲がない領域の所から飛行機雲が途切れているのが分かります。

(右上にこの飛行機雲を残した飛行機が写っています)

雲は、水蒸気の量がその地点で含むことができる限界量(飽和水蒸気量)に達すると発生します。

つまり、その地点の水蒸気の量が多いほどできやすく、

逆に水蒸気の量が少ない乾燥した状態だとできにくいということになります。

また、雲はさまざまな高度で発生しますが、飛行機も離陸後高度をぐんぐん上げ、最終的には高度1万メートル前後を航行します。

 

そこで、さきほどの画像から、次のとおり推測することができます。

① 途中までは、背後にも雲が見えるため、雲ができやすい条件の領域を飛んでいた。

② 飛行機がどんどん小さくなっていったことから、高度を上げていった。

③ 高度が上がったこと等の理由により、雲ができにくい乾燥した条件の領域に突入した。

そのため、途中でいきなり飛行機雲が消えたものと思われます。

また、この飛行機雲と周囲の雲のでき方から、

「中層(高度5,000メートル前後)までは湿った空気が多く雲ができやすい状態だが、それより上空では雲ができにくい乾燥した状態になっている」

と逆に大気の状態を推測することもできます。

なお、水蒸気が多い状態でも、大気の乱れ(上下方向、左右方向)がなければ雲は発生しにくいため、青空を見ても一見しただけでは水蒸気が多いかどうかは分かりません。

そのような青空に、飛行機が飛行機雲を描き、その飛行機雲がすぐに消えない場合は、「雲はなくても実は水蒸気が多い状態である」ということを私たちに教えてくれるのです。

また、低気圧が近づいているときは、上空に湿った空気が流れ込んできますので、「飛行機雲が長く残る場合は雨が近い」などと言われたりもします。

 

ちなみに、上空の大気の状態は、気象庁でもラジオゾンデと呼ばれる気球をつけた観測装置で観測していますが、観測地点や観測時間が限られてしまうため、それを補完するために民間の飛行機なども航行中に気温などのデータを観測して気象庁などに提供しています。

夏は大気の状態も変わりやすい季節ですので、夏空に描かれた飛行機雲を見ながら、上空の大気の様子に想いを馳せてみるのもいかがでしょうか