愛知HAPPY★あいちハッピー

化学を修めた君子。電池、下水浄化、うがいと手洗い、石鹸やコスメの手作り、ハーブ、香りの化学。金欠病の克服、貧乏ライフ。

椿三十郎・黒澤

2007年11月11日 | 映画に行こう
椿三十郎

主人公三船は39歳浪人の役らしい。
椿が咲いているお屋敷で
「椿三十郎、もうすぐ四十郎になります。」
浪人の悲哀がでてくるわけよ。
「本当にいい刀は鞘に入ってるものですよ」と
奥様に言われてしまうのは
三船自身もズシンと響いている。
剣の腕も合戦の頭もあるが、戦国の世ではない。
侍といってもお城勤めの平凡な生活ができなくては仕官はできない。
世の中の元軍人の不器用なサラリーマンを暗示してるってことかな。

1962年、戦争が終わって17年。
20歳で愛国に燃えていた戦士が、戦後の仕組みに入れない。

これをバブルが終わって株価低迷、低成長、高齢化社会での
フリーターを意識させるわけよ。

フリーターって悲しいもんねえ。
レジ打ちとかベルトコンベア仕事や使い捨て仕事しかもらえずに
スキルとは無縁の生活を強いられてるわけ。

正社員は安定した人生設計を立てて、結婚して、子供育てて
と、忙しくも幸せな日々を過ごしているのに、
浪人フリーターは明日は、ネット難民かって。

椿三十郎はバッサバサ人を切ってかっこいいが、
実際のフリーターは活躍の場はない。

若い9人の侍たちはお坊ちゃんよ。
フリーターになっちゃいけないって親に言われて
世の中の好景気を味方に正社員として
年上のフリーターを使いまわすわけ。


まあ、暗い話は置いといて映画自体はいいよ。
ストーリーも面白いし、コミカルなシーンがいっぱい。
用心棒の続編として軽く見られてるみたいだけど、
軽くて面白くて娯楽快作だね。
映画の若侍でキャラがあるのは田中邦衛だけだね。
三船と仲代のコンビが美味しいとこすべて押さえてるんだもん。
決闘の名シーンも、血の吹き出し方は笑える。
不謹慎な気もするがあれは笑わす演出じゃないの?
あってもなくてもいいような決闘だしね。
名シーンっていうようなもんかね?

織田裕二さんは三船さんの後だからさぞ、誇らしい気持ちで
気持ちいい映画を撮ってるだろうけど、どうだか?
ユーモアのセンスを生かした映画に仕上げてあることを期待してますよ。