愛猫ダイオ物語

愛猫ダイオの猫生を綴った『ダイオ編』は終了し、現在は『ニャキエ編』を更新しています。

私が入院したときの猫たち。

2013-02-18 11:56:01 | 日記
2006年5月。
私は親知らずを抜歯するため、口腔外科に入院することになった。
顎の骨を割って歯を取り出すという手術で、全身麻酔で手術に臨み、5日間の入院が必要だった。声優のSさんと俳優のO君がお見舞いのお花を送ってくれた。
私は猫たちのことが気がかりだった。猫たちは生まれてからこれまで、私と離れたことは一度もなかったのである。私が入院している間中、長期休暇を取ることができた夫が猫たちの母親代わりをすることになった。
「トイレはすぐ掃除してあげてね。私のこと捜してない?」
私は夫に言った。
「ダイオがあおーん、あおーん、と鳴いて捜しているよ」
夫が言うには、猫たちは最初の一日、私を捜していたが、すぐに、いなくなったんですね、
という落ち着いた様子になったという。
「ダイオが俺の指を吸いに来たよ」
私がもういなくなったと思ったダイオは、夫の指に吸い付いたらしい。指が大きいのか吸いにくそうだが、それでも吸い付いてくると夫が言った。
「吸わせてあげてね」
私は猫たちのことを気に掛けながら、5日間を病院で過ごした。
退院の日。
猫たちがどんな顔をして私を迎えるだろうかと考えていた。いなくなったと思っていたお母さんが帰ってくるのである。早く猫たちに会いたくて私は玄関のドアを開けた。猫たちはすぐには出てこなかったように思う。居間に入ると、テーブルの上で2匹はそろって前足をそろえて座り、猫が挨拶をするポーズをとっていた。帰ってきたんですね、もういなくなったのかと思ってましたよ、と言っているようだった。さりげなく私のほうへと視線を向けている。猫にとってじっと相手を見つめるのは失礼にあたるので、猫たちは私を直視してはいなかった。
「ただいま。お前たちすっかり若い猫になったんだね」
すらりと成長した2匹を見て、私は言った。