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「復興万博」掲げるウクライナ 2030年万博の候補地に選ばれず
2023年6月22日 10時20分 ウクライナ情勢
7年後の2030年の万博の開催候補地として、サウジアラビア、韓国、イタリアがそれぞれ正式に決定し首脳らがフランスで行われた総会で誘致に向けてアピールしました。一方、戦争からの「復興万博」を掲げるウクライナは候補地には選ばれませんでした。
万博の開催地を決定する機関であるBIE=博覧会国際事務局の総会が21日までの2日間、フランスのパリで開かれ、179の加盟国から代表が出席しました。
総会では、再来年開かれる大阪・関西万博の次となる、2030年の万博の開催候補地としてサウジアラビア、韓国、イタリアがそれぞれ加盟国による投票で正式に決定しました。
各国の代表は、さっそく開催計画を説明し、このうちサウジアラビアは、ファイサル外相が首都リヤドでの開催を訴えました。
韓国は、第2の都市プサンでの開催を目指してユン大統領が「世界が競争から連帯に変わる万博となるだろう」と強調したほか、首都ローマでの開催を掲げるイタリアは、メローニ首相が、大規模なソーラーパークを建設して電力をまかなうことなど環境に配慮した万博を目指すとアピールしました。
一方、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナも「復興万博」を掲げて南部オデーサ市での開催に意欲を示してきましたが、投票の結果、候補地には選ばれませんでした。
具体的な理由は、明らかにされていません。
開催地は、ことし11月の総会で加盟国による投票が行われ、決まる予定です。
総会では、再来年開かれる大阪・関西万博の次となる、2030年の万博の開催候補地としてサウジアラビア、韓国、イタリアがそれぞれ加盟国による投票で正式に決定しました。
各国の代表は、さっそく開催計画を説明し、このうちサウジアラビアは、ファイサル外相が首都リヤドでの開催を訴えました。
韓国は、第2の都市プサンでの開催を目指してユン大統領が「世界が競争から連帯に変わる万博となるだろう」と強調したほか、首都ローマでの開催を掲げるイタリアは、メローニ首相が、大規模なソーラーパークを建設して電力をまかなうことなど環境に配慮した万博を目指すとアピールしました。
一方、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナも「復興万博」を掲げて南部オデーサ市での開催に意欲を示してきましたが、投票の結果、候補地には選ばれませんでした。
具体的な理由は、明らかにされていません。
開催地は、ことし11月の総会で加盟国による投票が行われ、決まる予定です。
ウクライナ南部オデーサ州副知事は
2030年の万博の開催に意欲を示してきたウクライナ南部のオデーサ州のロマン・グリゴリシン副知事が、BIE=博覧会国際事務局の総会を前に20日、パリでNHKのインタビューに応じました。
ウクライナは、去年11月に開かれたBIEの総会でゼレンスキー大統領がビデオ演説で「復興万博」を掲げて誘致を目指してきました。
誘致のねらいについて、グリゴリシン副知事は「万博がもたらす経済的な影響は、オリンピック以上のものがある。オデーサのインフラが整備されてヨーロッパからウクライナへのアクセスが良くなれば、外国からの投資も増え、ウクライナはヨーロッパの一部となる」と述べ、意義を強調しました。
グリゴリシン副知事によりますと誘致に向けた準備は、2021年から進めていたものの軍事侵攻が始まって以降は断念も検討したということです。
ただ、去年4月、世界的に有名な建築家、ザハ・ハディド氏の事務所から「不屈のウクライナ国民へのプレゼントだ」として無償で協力するという申し出があったということで、グリゴリシン副知事は「空襲警報のなかでも地下で作業を進め、立候補のための書類を完成させた」と述べました。
そのうえで「開催が決まれば、戦争で親族を失った人などすべてのウクライナ人の希望となり、世界に自由と民主主義は存在すると示すことになる。これも重要な勝利の一部だ」と述べ、誘致に向けた意気込みを語りました。
結局、ウクライナは総会で行われた加盟国による投票の結果、2030年の万博の開催候補地には選ばれませんでしたが、ウクライナ側は、将来の開催を目指して今後も働きかけを続けたいとしています。