北海道・紋別市生まれの手島圭三郎(てしま・けいさぶろう)氏は木版画による絵本『しまふくろうのみずうみ』(1982年、福武書店)で絵本作家としてデビュー。北に生きる動物たちを描いた作品やアイヌの人々伝承話を絵本にした作品を40年間発表してきました。 その氏の足跡を振り返る展覧会が「北海道立文学館」ファミリー文学館で開催中です。見応えがあります。
「秋の気配と花手水と~中島公園周辺~」に出かけるにあたり「北海道立文学館のウェブサイト」をチェックしました。前回の「緊急事態宣言」下では休館だったので今回もと思い念のためでした。予想の通り「新型コロナウィルス緊急事態宣言の発令により9月13日(月)まで引き続き常設展示室、閲覧室は閉室いたしますので利用にはなれません」と出ていたのですが、下まで見ると「なお8月28日(土)からのファミリー文学館「彫り続けた北の自然-絵本画家・手島圭三郎の40年-」は感染対策を徹底し開催します」と出ているではありませんか。しかも「絵本画家・手島圭三郎」氏といえば6月に放映されたNHKドキュメンタリー番組が記憶に新しいところです。ただ「観覧料無料」となっていたので「簡単なコーナーでも設置しているのかな?」ぐらいの軽い気持ちで足を運びました。結果は嬉しい誤算で大変充実の展示内容でした。
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6月に放映されたNHK番組「北の息吹を刻む」は86歳の今年で引退することを決めた手島氏が最後の作品『きたきつねとはるのいのち』に挑む創作現場に1年間密着したドキュメンタリーで、作品完成のため何度も版画を刷っては版木に手を加える作家の熱意と根気に大変感心したものです(以下画像はウェブサイトよりの拝借やギフトショップで購入のカード等を含みます)。
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「北海道立文学館」の「中島公園」側のエントランス。
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展覧会場の入口。会場内は写真撮影禁止です。
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「彫り続けた北の自然-絵本画家・手島圭三郎の40年」のチラシ。
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同上。
“手島圭三郎(てしま・けいさぶろう 1935年、紋別市生まれ)は木版画による絵本『しまふくろうのみずうみ』(1982年、福武書店)で絵本作家としてデビューしました。 同作は絵本にっぽん賞(現・日本絵本賞)を受賞。以降『おおはくちょうのそら』『くまげらのもり』『きたきつねのゆめ』を始めとする北に生きる動物たちを描いた作品や、アイヌの人々が語り伝えてきたお話を絵本にした『イソポカムイ』や、『ふぶきのとり』などの幻想シリーズを、40年間発表してきました。85歳になった昨年から制作してきた40作目となる最新作『きたきつねとはるのいのち』は今年の春に刊行しました。
ファミリー文学館では、雄大で美しい、そして厳しい北の自然とそのなかで生きる野生の生き物の命を木版画に彫り、絵本として北の大地からみなさんの元に届け続けた手島圭三郎氏の足跡を振り返ります。”
ファミリー文学館では、雄大で美しい、そして厳しい北の自然とそのなかで生きる野生の生き物の命を木版画に彫り、絵本として北の大地からみなさんの元に届け続けた手島圭三郎氏の足跡を振り返ります。”
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氏のデビュー作『しまふくろうのみずうみ』より。
展覧会は第一部から第五部で構成され、それぞれの作品シリーズの下絵、刷木とともに多くの絵本用原画が展示されています。
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第一部「雄大な自然の中で」では『しまふくろうのみずうみ』や『きたきつねのゆめ』などの北の大地でたくましく生きる「北の森の動物たちシリーズ」の作品群、
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『たんちょうづるのそら』より。
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『きたきつねのしあわせ』より。
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第二部「神々の物語ーアイヌの人びとのおはなし」では『カムイチカプ』や『イソボカムイ』等のアイヌの人々の世界で代々語りつがれてきたユーカラ(アイヌ民族に伝わる叙事詩の総称) を題材にした「カムイ・ユーカラシリーズ」の作品群、
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第三部「幻想の世界に遊ぶ」では『ふゆのうま』や『ふぶきのとり』等の季節ごとに訪れる自然現象と幻想的な世界が融合した「幻想シリーズ 」の作品群、
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第四部「新たな命をもとめて」では『しまふくろういきる』などのやがては死をむかえる生きものの定めの中で生きることのすばらしさを伝える「いきるよろこびシリーズ」の作品群、
第五部「世界の子供たちへ」では英語、仏語、スペイン語、オランダ語、中国語、ハングルに翻訳された作品群を紹介。併せて絵本の企画立案から完成に至るまでの工程や何度も彫り直した版木などの展示もあり大変見応えのあるものになっています。
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入口では原画が販売されていました。
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同時に絵本なども販売されており・・。
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こちらを購入させていただきました。
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「いきるよろこび」シリ-ズの作品で「しまりすさん頑張れ!」という内容でした。
たいへん充実の展覧会でした。絵本作家・手島圭三郎氏の北の大地に対する深い愛情と作品に込める強い思いが伝わる内容です。会期は10月17日(日)まだです。これが観覧料無料かとつい思ってしまう程で主催者の寛大さに大感謝です。本日は花手水も含め大変充実の散策となりました。ありがとうございました。
特別展「彫り続けた北の自然-絵本画家・手島圭三郎の40年」
会期;2021年8月28日(土)~10月17日(日)
観覧料;無料
開館時間;9:30~17:00(入場は16:30まで)
休館日;月曜日(9月20日は除く)、9月21日(火)
主催;北海道立文学館、公益財団法人北海道文学館(北海道立文学館指定管理者)
後援;札幌市、札幌市教育委員会
協力;株式会社絵本塾出版
「北海道立文学館」
札幌市中央区中島公園1番4号
電話:011-511-7655 Fax:011-511-3266
電話:011-511-7655 Fax:011-511-3266
開館時間; 9:30~17:00(展示室入場は16:30まで)
休館日;月曜日(ただし、月曜日が祝日等の場合は開館)/年末年始(12月29日~1月3日)
休館日;月曜日(ただし、月曜日が祝日等の場合は開館)/年末年始(12月29日~1月3日)
(2021.9.3訪問)