明治期より北海道経済の中心都市・港湾都市として発展した「小樽」。運河や倉庫、銀行などの歴史的建造物が多く残る歴史溢れる街です。その小樽の総鎮守「住吉神社」では2023年の第2回「花手水」が5月16日(火)~5月27日(土)で実施。また小樽市指定有形文化財に指定されている歴史的建造物「日本銀行旧小樽支店金融資料館」では開館20周年特別展として『日本銀行のある街並み/小樽支店と銀行街』を開催しています。
今日は「そうだ小樽に行こう。」と住吉神社ほかの小樽散策に出かけてきました。何が「そうだ・・」なのかは、 ①小樽の総鎮守「住吉神社」の本年の「花手水」第2回が5月16日(火)より27日(土)までの予定で実施中とのことでパワーを頂戴しつつ鑑賞することです。また②最近「円山公園」のシマリスに出会えないことによるシマリス・ロス気分を「天狗山」のシマリスたちに埋めてもらうこと、③そのシマリスのいる「天狗山シマリス公園の今季営業が5月20日(土)から開始されたこと、④併せて新聞で紹介されていた小樽商科大生が企画・設計・運営を手掛けるカフェで出す看板商品のソフトクリームなど小樽スイーツをめぐることなどです。盛りだくさんの目的を持って本日も自宅近くのバス停「円山第一鳥居」から高速バスで出発しました。
小樽の総鎮守「住吉神社」。「円山第一鳥居」から高速バスで近くの「住吉神社」前のバス停に40分ほどで到着です。
参道には繁栄を極めた小樽経済界の重鎮の方々などが寄進された鳥居、灯篭、石階段などが多く安置されています。ただ年月が経過し傷みが見られるものも少なくありません。
こちらの狛犬(阿形)は足が細くなり何か所か切断されています。今にも倒れそうです。
大正2年に奉納された狛犬のようです。
対になる吽形も顔に風化が見られますが阿形に比較し原型をとどめています。小樽港からの潮風の流れが風化に影響しているのでしょうか。この神社に来る度に小樽の歴史を感じる光景です。
参道をのぼった第二鳥居。
その奥の包丁塚と鳥居。
これらの鳥居は平成30年(2018年)の「住吉神社」鎮座百五十年の記念事業の一環で副参道として建設されたもの。
鳥居の副参道を登り切ったところが手水舎です。
今回も立派な花手水です。色とりどりのカーネーションがメインで、ガーベラ、アンスリウム、バラなどで構成するそうです。
ガラス鉢のかすみ草に囲まれたすずらん。
そうだ小樽に行こう。です。
第2回の花手水は27日(土)で終了。次回の第3回は6月17日(土)〜27日(火)の予定だそうです。
第三鳥居から拝殿をのぞみます。
拝殿。
拝殿前の口角の上がった人気の狛犬(阿形)。微笑みをもたらしてくれそうです。
拝殿でお詣りです。内部には大きな御神燈が吊るされています。
参詣を終え拝殿前から登ってきた参道方向を望みます。
奥に小樽港が広がっていました。 以上で「住吉神社」を終了。次の予定地へ移動です。
「住吉神社」から路線バスで「JR小樽駅前」に到着。
「小樽都通り商店街」へ。アーケードのある商店街としては北海道で2番目に古い歴史ある商店街(最古は札幌狸小路商店街)だそうです。
「西川のぱんじゅう」。"小樽一おいしい!"ぱんじゅうを購入し店頭でいただきました(詳細は別途)。近くの北海道で初めてのアイスクリームを売り出したという「アイスクリームパーラー美園」(大正8年(1919年)創業)などとともに商店街のレトロな雰囲気の店の一つです。
「小樽都通り商店街」から「小樽運河」方向へ向かう途中の「旧国鉄手宮線」。明治13年(1880年)に北海道で初めて開通した鉄道「官営幌内鉄道」の一部。廃線後に小樽市によって整備が行われ当時使っていた線路や踏切、遮断機を残し約1.6kmの散策路として開放されています。
線路内で写真が撮れるので人気の撮影スポットになっています。
色内地区へ。「旧北海道拓殖銀行小樽支店」(現在は「小樽芸術村」を構成する「似鳥美術館」)。明治時代から北海道物流の拠点として栄えた商都・小樽には流行を取り入れた銀行建築が立ち並び「北のウォール街」と呼ばれていました。最盛期には25行もの金融機関が小樽に支店を開設され、その時期に造られた建物の一部は現在も美術館やレストランなどとして利用されています。
「旧三井銀行小樽支店」。現在は「小樽芸術村」の一つ。
「旧三菱銀行小樽支店。現在は「小樽運河ターミナル」。ぱんじゅうを売る「桑田屋本店」も入っています。
そして「日本銀行旧小樽支店金融資料館」。
赤レンガの東京駅で有名な辰野金吾とその弟子たちの設計により明治45年(1912年)完成。平成14年(2002年)に銀行としての営業を終了し現在資料館(入館無料)として日本銀行の歴史や業務、金融の仕組みなどを分りやすく解説しています。
館内では4月28日(金)~7月18日(火) の予定で開館20周年特別展「日本銀行のある街並み 小樽支店と銀行街」を開催中。日本銀行小樽支店が竣工したころの写真、また日本銀行小樽支店を中心に多くの銀行が立ち並んでいた大正から昭和初期の小樽市色内の銀行街の写真などを展示しています。
内部の柱がない大きな吹き抜けの空間となっている営業場、岐阜県赤坂産の大理石を使った営業場カウンターなど開業当時の空間が保存・開放されています。
天井の日本銀行の行章のデザイン。お札(日本銀行券)に印刷されている「めだま」のようなマークで「日」という漢字の古代書体の一種だそうです。
同じく階段に彫られている日本銀行の行章。
アイヌの守り神であるシマフクロウをコンセプトにデザインされたレリーフ 。内壁に12、外壁に18あるそうです。
「歴史展示ゾーン」では日本銀行と旧小樽支店の歴史を紹介しています。
「旧日本銀行小樽支店」は明治26年(1893年)4月に「日本銀行小樽派出所」(札幌出張所の下部組織)として開設。明治33年(1900年)には金準備の充実のため「砂金分析室」を設置し江幸などの砂金の買入れを開始したそうです。『ゴールデンカムイ』の世界ですね。
国庫金の出納・保管事務を行った「小樽本金庫」の看板。明治39年(1906年)8月には「日本銀行小樽支店」に昇格し同時期に札幌出張所は閉鎖。小樽と札幌の経済繁栄の差異を反映しています。
「業務展示ゾーン」では日本銀行の仕事と実際に使われていた金庫を紹介しています。
平成14年(2002年)まで実際に使っていた金庫室。
金庫室内では一億円の重さ体験(模擬紙幣)ができます。なお2024年度上期発行予定の新札の見本も展示されていましたが写真撮影禁止でした。
以上で「日本銀行旧小樽支店金融資料館」の見学終了です。この充実の館内を無料で開放するとはさすが日銀!です。ありがとうございました。
「小樽運河」です。以上で【そうだ小樽へ行こう【2023年初夏・午前編】を終了。【ランチ編】へ続きます。
「日本銀行旧小樽支店金融資料館」
(2023.5.30)