大正から昭和にかけて書・篆刻・料理・陶芸など幅広い分野で活躍した芸術家・北大路魯山人の作品や近代日本画の名品を集めた「札幌テレビ放送創立65周年記念 【特別展】足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展 ―和の美、再発見」。島根県にある「足立美術館」が所蔵する作品・合計100点あまりが展示される特別展が「北海道立近代美術館」で9月16日(土)~年11月12日(日)までの会期で開催中です。
本日は「北海道立近代美術館」で開催中の「札幌テレビ放送創立65周年記念 【特別展】足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展-和の美、再発見。」の鑑賞です。これだけの『和の美』の名品が並ぶと壮観でした。
「北海道立近代美術館」東門。
島根県安来市にある足立美術館は、1970年に実業家の足立全康氏により創設されました。現在、日本画や陶芸など2,000点に及ぶ優れたコレクションとともに、四季折々に素晴らしい表情を見せる5万坪もの日本庭園が国内外で高く評価され、人気を集めています。
本展では、足立美術館のコレクションから、竹内栖鳳、横山大観、上村松園、川端龍子、伊東深水らの近代日本画40点と、北大路魯山人の陶芸や書66点をご紹介します。
近代の日本画家たちは、日本・東洋美術の伝統と、西洋美術の動向に目を向けながら、新しい日本画の世界を切りひらきました。また、美食家でもあった魯山人は、美味しい料理には相応しい食器が必要という考えから、伝統と自身の美意識にもとづく器を数多く制作しています。近代日本画や魯山人の作品をつうじて、「和の美」を見つめ直してみませんか?
展示会場入口。会場は【第Ⅰ部 近代日本画の名品】と【第2部 北大路魯山人】の順番の2部構成となっています。ともに写真撮影NGなのでネット等より借用したもので展示作品の一部を紹介します。
【第Ⅰ部 近代日本画の名品】
【第1部】で最初に展示されている近代日本画の先駆者とされる竹内栖鳳の作品《獅子》1904(明治37)年頃。当時日本では仲々見られなかった珍しいトラやライオンなどの動物から雀や猫などの身近な動物まで多くの動物を描いた作品の一つ。
横山大観《鶉》1925(大正14)年。
川合玉堂の主要画題の一つと言われる《鵜飼》。1931(昭和6)年。
川端龍子《愛染》1934(昭和9)年。
【第1部】の最後のパートである美人画コーナーの上村松園《娘深雪》。1914(大正3)年。本特別展のフライヤー等にも使用されている人気作品。浄瑠璃『朝顔日記』に登場する女性をモチーフにし、惹かれ合った男性から贈られた歌が書かれた扇を見つめている時に近づいてくる足音に気づき思わず袂で扇を隠そうとする一瞬を描いた作品とか。初々しい表情や髪や眉の細部や色彩豊かな着物や帯の柄が美しく描かれています。
上村松園《待月》1944(昭和19)年。
勝田哲の有名な代表作 《夕べ》1934(昭和9)年。浴衣姿のキリリとした美人画。美人画展示作品の中でも存在感がありました。
伊東深水《春の雪》1948(昭和23)年。
【第2部 北大路魯山人】
北大路魯山人《雲錦鉢》1941(昭和16)年頃。本特別展のフライヤー等にも使用されている看板展示作品。直径43センチ×高さおよそ21センチの器で圧倒的迫力です。
北大路魯山人《信楽刻線文壺》1958(昭和33)年。
北大路魯山人《赤呉須徳里》1940(昭和15)年頃。
北大路魯山人《織部釉長板鉢》昭和15(1940)年ごろ。美食家でもあった魯山人が美味しい料理には相応しい食器が必要という考えから、伝統と自身の美意識にもとづき制作した器。
そんな魯山人の器を使用した北海道の名店の職人による料理の数々も写真で紹介されています。
北大路魯山人《日月椀 いつかん》1943(昭和18)年頃。
北大路魯山人《呉須風貝形鉢》1935(昭和10)年頃。
北大路魯山人《銀地三彩木乃葉》1957(昭和32)年頃 。
以上で「足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展 ―和の美、再発見」の鑑賞終了です。大変な見応えでした。アドレナリンが上ったところですので美術館ロビーのショップコーナーで展示作品に関する商品を見た後は続いて隣の展示室で開催されている「【特別展】揺さぶる絵 変貌する日本画のイメージ」ほかを鑑賞します。ありがとうございました。
札幌テレビ放送創立65周年記念【特別展】足立美術館所蔵
近代日本画と北大路魯山人展 ―和の美、再発見。
開催期間:2023年09月16日(土)~2023年11月12日(日)
開催時間:9:30 - 17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(9/18、10/9、11/6をのぞく)
開催場所:北海道立近代美術館(札幌市中央区北1条西17丁目)
主催者:北海道立近代美術館、STV札幌テレビ放送、北海道新聞社
料金:一般:1700(1500)円、高大生:1000(800)円、中学生700(500)円、小学生以下無料(要保護者同伴)
お問合せ:北海道立近代美術館(電話011-644-6882)
(2023.10.8)