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札幌・円山生活日記

「宮の森 この地が生んだ美術~本郷新記念札幌彫刻美術館開館40周年記念展」 

「本郷新記念札幌彫刻美術館」では札幌生まれの彫刻家・本郷新氏が1977年に宮の森にアトリエを構えた同時期に同地を拠点に活動した美術家などによる作品を紹介する展覧会「宮の森 この地が生んだ美術」を開館40周年記念展として開催中です。「本郷新・全部展④100の石膏像」も同時開催です。

本日は「本郷新記念札幌彫刻美術館」で開館40周年記念展「宮の森 この地が生んだ美術」の観賞です。「本郷新・全部展③彫刻の設計図」以来の訪問で同展のポスターを地下鉄東西線「円山公園駅」構内で見かけ出かけてきました。場所は地下鉄東西線「西28丁目駅」2番出口バスターミナル2番のりばからJR北海道バス「山の手線〈循環西20(神宮前先回り)」で「彫刻美術館入口」バス停で下車し徒歩約10分です(地図)。通常だと我が家から徒歩でも行けるのですが暑い中大変なので「北1条」のバス停からバス便で参りました。

「本郷新記念札幌彫刻美術館」(本館)の入口付近。
“本郷新記念札幌彫刻美術館は、札幌生まれの彫刻家・本郷新(1905-1980)が1977年にアトリエ兼ギャラリーとして建てた邸宅を出発点とする小さな美術館です。”宮の森の高級住宅街の中にあります。

「宮の森 この地が生んだ美術」のポスター。地下鉄東西線「円山公園駅」構内にも掲示されていました。 
"1977年、本郷が宮の森にアトリエを構えた年と同時期に、本田明二(1919-1989)や八木保次(1922-2012)、八木伸子(1925-2012)など、戦後の北海道美術を代表する美術家たちが、制作の拠点としてこの地を選びます。都市の喧騒から離れた周辺環境や、アトリエの窓から見える四季折々の豊かな自然は、彼らの生活に彩りを与えると同時に、日々の創作活動にインスピレーションをもたらすものでもありました。そして今もなお、様々な美術家たちがここを拠点とし、宮の森は多彩な表現が生まれゆく地となっています。
本展では、札幌芸術の森美術館のコレクションから、宮の森とその周辺地域ゆかりの美術家たちによる作品を紹介し、「宮の森」という地が育んだ美術の魅力を紐解きます。”

本館ロービー受付の上には制作中の本郷新氏の写真が飾られています。氏は日本を代表する札幌出身の彫刻家で全国各地に置かれている野外彫刻は約100点にも及ぶそうです。「大通公園」に設置されている「泉の像」はお馴染みです。

本館ロビーには「札幌彫刻美術館 40年のあゆみ展」として1981年の開館以来の活動がパネルや当時のチラシなどで紹介されています。

それでは展覧会の観賞開始です。本郷氏ほか、八木保次、国松登、大本靖、阿部典英、八木伸子、圀松明日香、本田明二の各氏の作品が展示されています。館内撮影可なので作家と作品の一部を紹介します。

本郷氏作「朝」。ブロンズ。


「八木保次氏」の紹介。

八木保次氏作「黒の風景」。油彩、キャンパス。裏山が切り崩され死んだ森がモチーフがそうです。


「国松登氏」の紹介。
国松登氏作「氷上のひと」。油彩、キャンパス。

國松登「三角山」。三角山の石切り場からハッパが響いていたそうです。

「大本靖氏」の紹介。
大本靖氏作「沼の平」。木版、紙。

「阿部典英氏」の紹介。
阿部典英氏作「オヨメサン ヘ ハルゴコロ」と「オヨメサン ニ アキゲシキ」。木、アクリル絵具、ニス。

「八木伸子氏」の紹介。

八木伸子氏作「二月の室内」。油彩、キャンパス。「山の家の窓から見える風景」が描かれています。

「國松明日香氏」の紹介。

國松明日香氏作「秋霖」。鉄、ステンレス鋼。

「本田明二氏」の紹介。
本田明二氏作「風の中のマント群像」。木。後方にたなびく裾の表現は吹きすさぶ風のせいだそうです。


以上で「宮の森 この地が生んだ美術」の鑑賞終了です。写真は2階の展示室から1階ロービーを見たところ。美術館らしい内観です。

「本館」を出て「記念館」に向かいます。「本郷新・全部展④100の石膏像」が開催されており上記展覧会チケットで観覧できます。


「本郷新・全部展④100の石膏像」のポスター。
"ブロンズ鋳造が果たされたならば、通例、保存されることの少ない石膏原型。しかし本郷新は、これらを丁寧に保存しました。本展では、当館所蔵の364点におよぶ石膏原型のうち、4メートル級の大型彫像からレリーフやメダルに至るまで100点を厳選して紹介。石膏原型の役割を見つめなおすとともに、石膏像特有の魅力に迫ります。 ”

1階の展示室(A)。玄関から入館してすぐの展示室。配置が少し変わっていますが「哭」(右端)はじめ馴染みの石膏像が並びます。

1階の展示室(B)。こちらもそうですが何度見ても迫力の石膏像です。

1階の展示室(F)。「本郷新記念札幌彫刻美術館」には何度か来ていますがこの展示室は初めてです。

2階の展示室(E)。1階の展示室(A)の「哭」と素材の異なる2体が並びます。氏が1体を手放したのを惜しんで再度制作したとか。

2階の窓際の展示スペース(D)。ここはいつも見所作品が並びます。
窓から陽光が差し込む中に様々な裸婦像が並びます。「本館」展示のブロンズ像「朝」の石膏像もありました。
解説です。

窓から「円山」方向を望みます。良い環境の眺望です。電線が邪魔ですが・・。

コンパクトながらも見応えのある展覧会でした。宮の森の地が戦後の北海道美術を代表する美術家たちの拠点だったとは知りませんでした。アートと周辺環境は重要な関係にあるのだと勉強になりました。それにしても今では高級住宅地の宮の森ですがかつては「電気や水道を引き込むにも苦労した地で都会暮らしを期待した息子を落胆させた」という件などには時代を感じ興味深かったです。ありがとうございました。

「宮の森 この地が生んだ美術~開館40周年記念展」
会期:2021年7月13日(火)~2021年8月31日(火)
休館日:月曜日 ※ただし8月9日(月・振休)は開館し8月10日(火)休館
開館時間:午前10時~午後5時(最終入館は午後4時30分まで)
観覧料:一般 500(400)円、高校・大学生 300(250)円、中学生以下 無料
※( )内は10名以上の団体料金 ※65歳以上は当日料金が400(団体320)円になります。
主催:本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌市芸術文化財団)

「本郷新・全部展④ 100の石膏像」
会期:2021年4月29日(木)~2022年4月10日(日)
休館日等:月曜休館(月曜が祝日・振休の場合は、翌平日休館)
【5月4日(火)から7月12日(月)まで臨時休館】
開館時間:午前10時〜午後5時
観覧料:本館の展覧会開催中は同展チケットでご観覧いただけます。
(2021.8.5訪問)

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