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札幌・円山生活日記

さぁ!まわろうSAPPORO2021~札幌市時計台~

現存する日本最古の時計塔「札幌市時計台」。正式名称は「旧札幌農学校演武場」で北海道大学の前身である札幌農学校の施設として初代教頭クラーク博士の構想に基づき明治11年(1878年)に建設されたもの。昭和45年(1970年)6月に国の重要文化財に指定。幾度かの修復工事を経て現在は札幌市を代表する観光名所として愛されています。

 「さぁ!まわろうSAPPORO2021」で「豊平館」に続いて「札幌市時計台」です。2021年11月20日(土)〜12月19日(日)までの間の観光需要及び施設への需要喚起を目的としたキャンペーンも2週目に入りましたが漸く2カ所目です。「札幌市時計台」は市中心部に位置するので頻繁にその姿は目にするのですが館内に入るのはたぶん同様のキャンペーンを実施していた昨年8月以来です。単に見物するのもつまらないないので今回は初めての試みとしてガイドブック等に書かれている17カ所の五稜星探しを試みてみました。

まずは「札幌市時計台」の外観です。
敷地内には丁寧に日英二か国語で2か所の撮影ポイントが紹介されています。上掲写真はその①。
そして向かいのビルのテラス②からの全体像です。五稜星探しには良い場所でした。

というのも正面入口から見え上げると4か所の赤い五稜星は確認できるのですが時計台上の星はともすれば見逃しがちです。
向いのビルテラスからはこんな感じで見えます。
時計台屋根上の五稜星。先ずは正面で5カ所の五稜星を確認。
建物をぐるりと周囲から見ると正面の左右と後ろ側の屋根上にそれぞれ3か所設置されていました。これで合計5(正面)+3×3(左右及び後方)で14カ所。

「あとは何処かな?」と少し離れて時計台の屋根上を見ると正面だけでなく4方に五稜星が設置されてました。これで合計17カ所です。以外とすんなりと確認できました。


途中で気が付いたことが一つ。正面玄関の庇に透かし彫りの五稜星が確認できました。正面と左右の合計3カ所。
こんな感じです。これを計算に入れると20カ所になるのですが・・。

館内の展示を見て納得。「赤い星」が17カ所だったようです。いずれにせよ無事17個の「赤い星」を確認しました。

折角の機会なので新聞報道で見た新たな碑を見物することにします。こちらは本年10月に市内の会社経営者よりの寄贈で設置された「時計台の鐘」の歌碑。鏡面仕上げの石で綺麗に建物が写り込んでいます。
その隣には札幌市のデザイン・マンホール蓋がありました。平成10年《1998年)から市内で使用されており本品は展示用に着色されているそうです。

もう一つの新しい碑。明治14年(1881年)9月の明治天皇陛下ご訪問を記念して札幌市時計台に立てられた「明治天皇 聖蹟(せいせき)碑」です。終戦直後に撤去されたまま行方がはっきりしなかった石碑が本年9月に76年ぶり時計台へ戻ってきたそうです。
“明治14年(1881年)9月に明治天皇は北海道巡幸に際し札幌農学校演武場(現時計台)で学生らの物理や化学の実験などを視察した。石碑は、これを記念して1934年9月に時計台の敷地内に立てられたものの終戦後の連合国軍の進駐を前に石碑は撤去された。長らく行方不明だった碑が昭和末期に中島公園管理事務所で保管されていることが確認され、その後は西区の「手稲記念館」で保管されていた”とか。

聖跡碑と時計台です。正面から見て右奥に設置されています。

それでは「無料開館中」の館内へ。
1階には時計台の歴史や構造等が判る資料などが展示されています。
建設当時の施設の模型と周囲の写真。
「時計台(演舞場)」の模型をよく見ると現在の赤白塗装とは異なった外観です。
「時計台の塗装ほ変遷」を紹介する資料がありました。赤白塗装になったのは昭和になってからのようでした。

こちらは「札幌農学校の卒業生」。錚々たるメンバーです。
たぶん皆さん途方もなく優秀だったのでしょうがその一端が垣間見えるのがこの資料。新波戸稲造博士の農学ノート(複製)。札幌農学校の授業は英語のみならず全ての科目が英語で行われそれを筆記したものだそうです。とても達筆の英筆記体で綴られています。国家建設の大志を抱いた人達の並々ならぬ才能と努力を感じます。いつもこの資料の前では感嘆します。

もちろん食べ物にも興味ありです。こちらはブルックス教師の着任を祝う晩餐のメニューを再現したものとか。本格的な西洋料理です。料理人も優秀だったのでしょう。

時計台2階は農学校時代を再現したホールになっています。明治時代には授業や式典などを行う講堂として使用されていたそうです。 
照明も立派です。

学位授与式が行われたという演台の方向を見たところ。

壇上ではクラーク博士と並んでベンチで写真を撮ることができます。

塔時計本体は今も現役で活躍しているため実物を間近で見ることはできませんが、同じ仕組み・同じ米国の「E・ハワード社製」の兄弟時計が置かれています。2階展示の必見場所です。
「とけい台のしくみ」。ビデオの放映もありました。
本体と同様にネジを巻き、石の振り子によって時計の針が進む仕組み。近くで見ると迫力があります。 大変立派なものです。

こんなものも発見。新波戸博士が農学校の教え子である森本厚吉氏に送った書だそうです。「Haste not & Rest more」。先生から「もっと休め」と言われるモーレツ学生だったのでしょう。

最後にもう一度外観を見物して帰路に着きました。

札幌のシンボルのような「札幌市時計台」。ビルに囲まれた小さな姿から「〇大がっかり」と酷評する向きもあるようですが勿体ないことです。外観・内装とともに館内展示を見ればその魅力が判るかと思います。特に北海道開拓に携わった先人の情熱と卓越さに感嘆します。便利な場所でもあるので観光客の皆さんもじっくりと見学することをお勧めしたいです。今回の無料開放の企画も貴重な機会でした。ありがとうございました。

「札幌市時計台」
札幌市中央区北1条西2丁目
営業時間 8時45分~17時10分 ※入館は17時まで
定休日 1月1日〜3日
料金 大人200円、高校生以下は無料
電話011-231-0838
公式サイトhttp://sapporoshi-tokeidai.jp/ 
(2021.11.30訪問)


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