「覇竜」
アカムトルム
Akantor
飛竜種
竜盤目 不明 アカム科
全長約2994cm
全高約977cm
足の大きさ約304cm
・狩猟地
溶岩島など
・概要、特徴
火山地帯に棲むモンスターの中でも1、2を争う巨躯を誇る、 謎に包まれた飛竜。
“黒き神"" 火山の暴君”など数々の異名で呼ばれており、 ギルドでは“覇竜”と称して、情報を収集している。
全身は黒光りする鱗と重厚な甲殻、大棘に覆われ、巨大な顎には二本の大牙を備える。
その鈍く光る黒々とした上鱗や堅殻は溶岩にも溶けぬ堅牢さを誇り、岩盤を容易に砕く剛爪や先端に三本の鉤爪を備えた長大な尻尾による攻撃は、 大岩が飛来するかの迫力を持つ。
背中から突き出た大棘は巨躯の外敵に対する防衛の為に進化したと考えられており、脊椎骨に添って一列に並び、その横をひとまわり小型の第2列、 第3列が並行に突起している。
大棘を支えて背甲と筋肉と繋ぎ合わす役割を果たしているのが、アカム科特有の強靭で肉厚な腱である。これらの腱は、交互に絡み合って網目状の構造となり、大地を砕いて進む頑健な背甲を作り上げる。
外殻には生体組織はないが、体表からカルシウムを含む体液が分泌され、 そこから火山帯の獄炎石など希少鉱物が沈着していくことで、さらに黒光りし硬度を増していく。
この鈍く黒光りする外殻は並大抵の攻撃にはびくともせず、高熱のマグマはもちろん、グラビモスが放つ熱線すら全く通用しない圧倒的な堅牢さを誇る。
下顎から伸びる双牙は大地を容易に抉り取り、これを用いて地面を掘り返すことで、マグマの中へ潜行する。
この尖塔のように聳える豪壮な牙の表層には、年輪のような模様が浮かび上がる。これは、口元に近い節から薄皮が剥けるように牙が伸長するためだと考えられている。
火炎袋、 電気袋、 睡眠袋といったブレス生成器官は持たないが、音速を超えるとも言われる衝撃波を発生させる未知の器官を持つ。
首回りの襟のような骨板は、首の保護が目的と推測されるが、個体数が極めて少ないために調査ははかどらず、憶測の範疇を越えることはない。
アカムトルムの名はポッケ村の古い言葉で“災厄”を意味し、 伝承では「其の口は血の海、二は三日月の如く、陽を喰らう」 と伝えられ、 村人からは現在でも忌避されている。
アカムトルムが目撃された年には、大雨や干ばつなどの異常気象や、 ガウシカなど動物たちが警戒行動をとり続けて麓から姿を消すといった奇妙な行動が見られるという。
周辺地域の安全を守るため、王都やギルドは人知れず人員を配置し、覇竜の襲来を防ぐべく火山地帯の警戒を強めている。
かつてアカムトルムの襲撃を受けた王国も存在し、覇竜の出現時にはハンターズギルドでは総力を結集し、生息域の一角へ追い込む作戦が取られる。
伝説上の存在と思われていたアカムトルムに関しては、最新の研究で飛竜種と定められたが、むしろ分類不能の古龍種では、という議論の火種は燻ったままである。
爪の形状や、 興奮すると体表の一部が赤く染まるなど、 飛竜種と共通する特徴を数多く備えているのは事実だが、 直接の祖先に該当する飛竜種は化石すら存在しないのである。
“走る飛竜” という観点から、最も原始的な飛竜とされるティガレックスや、さらに絶滅した甲殻竜シェルレウスに外骨格の共通性を見出す書士もいる。
このため、進化系統樹の改訂の動きが再燃し、つい先日、長らく獣脚亜目とされていた飛竜種が、新たに”竜脚亜目” として設定されるという大幅な見直しも行われた。
・食性
肉食性。
食性も伝説を彩るのにふさわしく、 バサルモスやグラビモスなど、火山帯に生息する大型モンスターを捕食して、 その肉からエネルギーを得るといわれる。
https://youtu.be/4MZrJ6tuxx4
発達した二本の牙は、 彼らの厚い装甲を突き貫く頑健さを誇り、 狩りに活用されているようだ。 実際、 テリトリーに迷い込んだグラビモスの首を、 強靱な下顎で咥え込み、その巨体を横投げして地面に押さえ込んだという信じがたい報告もあり、 狩り場での捕食は人知れず行われている。
・危険度、戦闘能力
咆哮は岩をも砕き、溶岩を噴出させながら大地を潜行する。
https://x.com/gagieru_seltas/status/1525483257713741824?s=19
重量感溢れる尻尾は巨体のバランスを取る役割を果たす以外にも、側面の外敵を一瞬にしてなぎ払う武器と化す。
突進のスピードこそ遅いが、ハンターとの間合いを計りながら進むので、遠くから狙われた場合、 目測を誤れば逃げ場を失うことになるだろう。
また『ソニックブラスト』と呼ばれる竜巻状の衝撃波を吐く姿も確認されている。
龍の力を帯びたその衝撃波は壊滅的な威力を誇り、大型船を一撃で破壊・転覆させたという衝撃的な記録も存在する。
正面の獲物を牙で救い上げて動きを封じた後に強靭な前脚を用いて外敵を抑え込み、至近距離からソニックブラストを放つ荒業も見せることがあり、大地に向けた超音速の衝撃波を拡散させ、外敵もろとも周囲を巻き込んで木端微塵にしてしまう。
https://x.com/gagieru_seltas/status/1525483759222460422?s=19
怒りが頂点に達すると外殻の節々がマグマのような赤い光を放つと共に緑色だった瞳も赤々と輝き、口からは強力な酸性の唾液が分泌され、喰らい付いた獲物の甲殻や鎧を瞬く間に腐食させる。
・利用
アカムトルムから得られる素材は上等な鉱物を遥かに凌駕する圧倒的な堅牢さを持ち、その鈍く光る黒々とした上鱗や堅殻の加工は極めて困難。
また溶岩で熱されているために非常に熱く、特に上質な鱗は加工の際には冷却処理を必須とする。
なお、覇竜の体内に眠る宝玉はかつて世界を統べた王が手にしていた至高の宝とされ、何者も近づけない恐るべき覇気を漂わせるという。
覇竜の素材を用いた武器は黒き神の力を宿し、覇竜の素材を用いた防具は黒き神を打ち倒した証である。
溶岩の激流にも耐えうる強度と、見る者の魂を凍りつかせるほどの威圧感を持つ。
しかし、これらの武具は身につける栄光と引き換えに、“神殺し”を成し遂げた代償として、地の底からの咆哮を耳にすることになるとも言われ、心に雑念が生じてしまう危険性もあるという。
・ソース
MH4G
MHXX
復刻ハンター大全pg.130.131.209