アメリカの入国というのは、とても厳しい。というか、厳しくなった。
間違いなく2001年のテロを境にセキュリティが強化されたのだと思うが、私ひで氏も2011年に久しぶりにアメリカに行ったとき、シアトルでの入国審査がものすごく厳しくなっていて驚いたのを覚えている。911から10年経っていてもそんな印象だった。
それを思うと、かなり落ち着いてきた感はある。それでも一人一人にかかる時間は長く、他の到着便と重なったりすると入国審査にはとてつもない時間がかかるのである。私ひで氏のようにアメリカ国内で飛行機を乗り継ぐ場合はここでかかる時間を甘く見ているとひどい目に遭う。
今回の乗り換え地はデトロイト。もちろん最初にアメリカに入国する地点で入国審査を受ける。
飛行機を降りてできるだけ急いで行ったと思っても、やはりすでに長蛇の列だった。
乗り換えには3時間ぐらいの余裕があるし、待つこと自体はなんら問題ないのだが、とにかくあの腸のように連なる列の中で荷物をキックしながらちょろちょろ進んで行く状態からはできるだけ早く解放されたいのだ。
細かい話だがこの入国審査のポイントまで行く途中のある地点でアメリカ人の女性職員がこちらを向きながら大きな声で
「US Citizens, right! Visitors, left!」(米国民は右、ビジターは左)と叫んでいる。
ありがたい、と思ってビジター側の左に早足でしばし進んでいくと、どう見てもアメリカ人だらけである。
そこまで来てやっと見える電光掲示板には「US Citizen」と書いてある。
逆じゃないか。。。はッ!あの人もしかしてこっちを向いてたから。。。
そう、自分に対して右や左と言っていたのだ。人と向かい合って説明するときは左右逆に言うやろ普通ーー!
しかしもしかすると自分が知らなかっただけでお国柄なのかもしれないと思い、反対側に行くためにその女性の地点をまた通り過ぎるとちょうど「逆を言わないといけないのね!ははは!」と爆笑しているのだ。
国柄とか関係ない。一瞬でも察した自分の優しさを呪った。
この間に抜け目のない人たちに相当数抜かされ、かなり出遅れる。
ちなみに携帯をいじってはいけないことになっているので、本でもない限り本当にボーとしながら延々と列がトロトロと動くのを待つしかないのだ。仕方ないので鬼平犯科帳19巻を読みながら進む。
その時である。
まだまだ先の、入国審査官のブースから声がした。
「誰か英語と日本語を話せる人はいますか」
このとき特に何も考えずに手を上げた。日本からの便なのでそんな人は結構いただろうが、たまたまいち早く反応しただけの話だ。
するとブースまで呼ばれた。
長い列から外れてブースまで行くと、巨漢の白人男性が私ひで氏に向かって、手伝ってもらえるかと聞いた。
オーケーと言ってふと横を見ると、日本人男性が立っていた。つまりは言葉の問題で入国審査ができないので、通訳を頼まれたというわけだ。
最初はどこを訪れるとか、何日滞在するとか基本的なことだったのでこの日本人男性もわかっていそうだったのだが、
前述したようにアメリカの入国審査は人によっては結構意外な質問を浴びせてくる。
「帰りのチケットを見せなさい」
という質問が来た。男性にそれを伝えると、「一人旅で、帰りはオープンのチケットをとっている」と言う。
その旨を審査官に伝えると、「今持っているのか聞いている」というので、聞くと、今手元には無いとのこと。
すると訳す前に「無いんだろう」と審査官。非常に威圧的である。
仕事で厳しく接するのはわかるが、さっきの左右逆転事件もあり多少のストレスを感じていた私ひで氏も
「今手元には無いかもしれないがメールなどで持っているのでは。でもここはスマホも見れないようだし」と多少皮肉を込めて反撃してみた。
直後、審査官と私ひで氏の間で3秒ぐらいの沈黙の長い見つめ合いがあった。男性も交えると、あたかも蛇と蛙とナメクジの三すくみのごとき沈黙であった。
「OK」
と言われた時には止まっていた時計が動き出したように緊張が解け、横で見つめていた男性もほっとした様子で、ありがとうございましたと言いながら去って行った。
さて、この小さな攻防も終わり列に戻ろうとしたところ、
「ご協力ありがとう。じゃああんたの審査だ。」
と言ってその場で審査をしてくれて入国審査完了。30人分はワープしたと思う。
サンクスと言うと審査官はそこのアメを持って行け、と前のアメが入った瓶に向かって目くばせをした。
いいヤツじゃないか。。。
ということで異例の裏ワザで早期入国!
間違いなく2001年のテロを境にセキュリティが強化されたのだと思うが、私ひで氏も2011年に久しぶりにアメリカに行ったとき、シアトルでの入国審査がものすごく厳しくなっていて驚いたのを覚えている。911から10年経っていてもそんな印象だった。
それを思うと、かなり落ち着いてきた感はある。それでも一人一人にかかる時間は長く、他の到着便と重なったりすると入国審査にはとてつもない時間がかかるのである。私ひで氏のようにアメリカ国内で飛行機を乗り継ぐ場合はここでかかる時間を甘く見ているとひどい目に遭う。
今回の乗り換え地はデトロイト。もちろん最初にアメリカに入国する地点で入国審査を受ける。
飛行機を降りてできるだけ急いで行ったと思っても、やはりすでに長蛇の列だった。
乗り換えには3時間ぐらいの余裕があるし、待つこと自体はなんら問題ないのだが、とにかくあの腸のように連なる列の中で荷物をキックしながらちょろちょろ進んで行く状態からはできるだけ早く解放されたいのだ。
細かい話だがこの入国審査のポイントまで行く途中のある地点でアメリカ人の女性職員がこちらを向きながら大きな声で
「US Citizens, right! Visitors, left!」(米国民は右、ビジターは左)と叫んでいる。
ありがたい、と思ってビジター側の左に早足でしばし進んでいくと、どう見てもアメリカ人だらけである。
そこまで来てやっと見える電光掲示板には「US Citizen」と書いてある。
逆じゃないか。。。はッ!あの人もしかしてこっちを向いてたから。。。
そう、自分に対して右や左と言っていたのだ。人と向かい合って説明するときは左右逆に言うやろ普通ーー!
しかしもしかすると自分が知らなかっただけでお国柄なのかもしれないと思い、反対側に行くためにその女性の地点をまた通り過ぎるとちょうど「逆を言わないといけないのね!ははは!」と爆笑しているのだ。
国柄とか関係ない。一瞬でも察した自分の優しさを呪った。
この間に抜け目のない人たちに相当数抜かされ、かなり出遅れる。
ちなみに携帯をいじってはいけないことになっているので、本でもない限り本当にボーとしながら延々と列がトロトロと動くのを待つしかないのだ。仕方ないので鬼平犯科帳19巻を読みながら進む。
その時である。
まだまだ先の、入国審査官のブースから声がした。
「誰か英語と日本語を話せる人はいますか」
このとき特に何も考えずに手を上げた。日本からの便なのでそんな人は結構いただろうが、たまたまいち早く反応しただけの話だ。
するとブースまで呼ばれた。
長い列から外れてブースまで行くと、巨漢の白人男性が私ひで氏に向かって、手伝ってもらえるかと聞いた。
オーケーと言ってふと横を見ると、日本人男性が立っていた。つまりは言葉の問題で入国審査ができないので、通訳を頼まれたというわけだ。
最初はどこを訪れるとか、何日滞在するとか基本的なことだったのでこの日本人男性もわかっていそうだったのだが、
前述したようにアメリカの入国審査は人によっては結構意外な質問を浴びせてくる。
「帰りのチケットを見せなさい」
という質問が来た。男性にそれを伝えると、「一人旅で、帰りはオープンのチケットをとっている」と言う。
その旨を審査官に伝えると、「今持っているのか聞いている」というので、聞くと、今手元には無いとのこと。
すると訳す前に「無いんだろう」と審査官。非常に威圧的である。
仕事で厳しく接するのはわかるが、さっきの左右逆転事件もあり多少のストレスを感じていた私ひで氏も
「今手元には無いかもしれないがメールなどで持っているのでは。でもここはスマホも見れないようだし」と多少皮肉を込めて反撃してみた。
直後、審査官と私ひで氏の間で3秒ぐらいの沈黙の長い見つめ合いがあった。男性も交えると、あたかも蛇と蛙とナメクジの三すくみのごとき沈黙であった。
「OK」
と言われた時には止まっていた時計が動き出したように緊張が解け、横で見つめていた男性もほっとした様子で、ありがとうございましたと言いながら去って行った。
さて、この小さな攻防も終わり列に戻ろうとしたところ、
「ご協力ありがとう。じゃああんたの審査だ。」
と言ってその場で審査をしてくれて入国審査完了。30人分はワープしたと思う。
サンクスと言うと審査官はそこのアメを持って行け、と前のアメが入った瓶に向かって目くばせをした。
いいヤツじゃないか。。。
ということで異例の裏ワザで早期入国!
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